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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第12章 リンとレミナの大冒険⁈
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【じゃあね……】

「リン、ここにいたのか」





 …………?





「寝てるの?」






 ……遠くで誰かの声がする。






「ねぇ起きて。もうすぐ6時になるよ」





 朝の6時? 随分早く起こすんだな……





「おーい。風邪引くよ?」



 今日《探索》あったけ?




「あ、うん。カヲルもうちょっと……」



 俺はまだ眠っていたい……なぁ。




「カヲル? ここにはいないよ。僕はユナだよ?」



 ……えっ、ユナ⁈⁈




「なんで、ユナがここに⁈」



「うわっ‼︎ いきなり起きた。なんでって……ここは僕のいる島じゃないか」




 俺は飛び起きた。


 慌てて正面にいる人間の顔を見る。


 声の主は……確かにカヲルではなくユナだ。



 寝ぼけ眼で周りをみまわす。

 ここは……島の森の頂上にある広場……のベンチの上。


 さっきまで確かにここに座ってた。



 どうやら……


 色々と考えているうちに、俺はいつのまにか寝てしまっていたらしい……



「こんな所でよく寝れるな。春でもまだ夜になると寒いよ。リンといい、レミナといい、僕は寝た子を起こす運命にあるのかな」


 ユナはそう言って苦笑いした。


 俺はリリフと無事に話せたのかな? と気になったが、2人の問題なのでそこは触れずに置こう。


「ごめん。ユナ、探しに来てくれたの?」


「うん。それもあるけど、ここのお水を変えにね」



 ユナの手には小さな水差しがある。



「あ、そこのお墓の?」



「うんそう。ここに来るのが僕の日課。いつも夜更かししてるから、来るのが夕方になっちゃうんだけど」




「……誰か亡くなったの?」


 俺は真顔で尋ねた。



「リンは前に僕が言ったシークの弟って覚えてる?」


「あ、確か父さんの担当だった人の……」



「そうそう。ラマダンってここよりももっと南国の国があるんだけど、タケルにレミナと一緒に連れて行ってもらったことがあるんだ。そこで彼は僕に父……ディックの面影を感じて声をかけてくれた」


「ラマダン……」


 ユナは頷いた。


「ここよりもずっと暑い、観光が盛んな国。レミナとタケルがマンゴー早食い選手権に出るというので、僕はその間彼……ウィルの家にお邪魔してね」


「マンゴーの早食い?」


 レミナとタケルが本気になって挑んでる姿が容易に想像できる。

 俺は楽しそうだなと思った。


「2人とも新記録を出していたよ。ウィルは僕の父と叔父と一緒の研究員だった。10年前のあの事件後、しばらくして武装した人間に自宅で襲われ、助かったものの慌てて国を捨てて逃げてきたと言っていた」



「研究員がどうして襲われるの?」


「分からない。何かを手に入れるためか、ウィル自体がジャマになって……国の隠蔽かも」


 あの国ならあり得なくはないなと思った。



「その時にね、遺品を少し預かったんだ。まぁ遺品といってもオモチャとか絵本とか服とか……そんなんだけどね。ウィルが形見にとっておいたらしい」


「じゃあそこには……」


「うん。遺体はないよ。ビックリした?」


 俺はちょっと……と答えた。



「Thomas feverって書いてある。それが彼の名前だったの?」


「そうみたい。僕もよく知らないんだけどね。名前がないと可哀想だから、一部の研究員でコッソリつけたんだってさ。リンとレミナは叔父が付けたらしいけどね」


「俺もお参りする」


 俺は石の近くまで行き、手を合わせた。

 ユナはその間、カップの水を変えている。


「残酷なことをする」


 ユナは石の前でしゃがんだまま、手を合わせてぼそっと呟いた。


「本当だね。彼も、俺たちと同じ父さんのクローンだったのかな?」


 ユナは下でう〜んと唸っている。



「いや、どうだろ。ウィルの記憶では顔が違ってたって」


「顔が?」


「そう。レミナと似てないらしい。つまりリンとも違うってことだね。第2兵器はリンが人としてカプセルから出された後、すぐに用意された2体目の生命体だった。まぁその辺のことはやっぱり叔父かアパレル君の両親に聞かないとね。さて、そろそろ戻ろうか」


 ユナはそう言って立ち上がった。


 俺は最後にお墓に声をかける。



「じゃあね。とーま……」

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