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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第12章 リンとレミナの大冒険⁈
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【島でひとり】

 女子たちが作ってくれた昼食を終えて、俺は森の中を散歩していた。ユナの家から先……道の上の方まで登ってみている。


 ここにはさすがにモンスターはいなかった。


 人為的な干渉による人や動物の変異はこの小さな島には訪れていないようだ。



(一体誰がそんな怖いことをしてるんだろう? 国を……人類を憎んでる人?)



 俺は久しぶりにのんびり歩いている。


 今、この森で俺は一人だった。


 事前の知らせがなかったユナの食料庫は当然2名分のストックのみ。全員分には明らかに足りない。

 アプとレミナは島の町まで食料の買い出しに出かけていた。


 家にはリリフとユナの2人だけが残っている。今頃きっと兄妹でじっくりと話していることだろう。


(2人にとって良い方にいってほしいな)


 30分ほど登ると、頂上まで着いた。

 ひらけた芝生の人工的に管理されているような広場がある。何個か置いてあるベンチと奥の方に大きめな石が地面に刺さっているだけだった。



(あれ? 石に何か文字が書いてある。どれどれ……)




『Thomas Feverここに眠る』




(トーマス・フィーバー? 誰だ?)




 どうやら、ここには亡くなった人が埋葬されているようだ。よく見ると、花とコップに入った水が置いてある。まだ新しい。



(誰かがお参りに来てるのかな)



 俺はベンチの所まで行って腰掛けた。

 温暖な気候と海風がマッチして気持ちいい。周りを見渡せば海が見える。



 ここまで来るのに色々あった。


 本当に色々あった。



 自分が遺伝子操作された生物兵器だったことをマラカナに告げられてから、色々と難題ばかり起きている。


 ロット人の父のクローンである俺とレミナ……犠牲になったロットの沢山の子供たちと第4兵器(第2兵器)、そして危うい第5兵器の存在。


 10年前は戦争なんてなくて、誰かが起こした事件だったとユナから聞かされた。


 ストゥートでは6割くらいの大人達(当時の20代から40代くらいがほとんど)が亡くなっている……これは授業で習った。


 世界で起きている人や動物の人為的?なモンスター化。


 ロットの人々はあの広大な何処かの土地でモンスターとなって生きているのだろう。


 思い返せばキリがない。



 アプとユナはモンスター化の解毒薬(特効薬)と予防薬の研究に取り掛かかると言っている。


 グレースとカトレアは学院に戻り、今頃は教授の任務を遂行しているだろう。


 カヲルとワイズは国の研究者であるカヲルの父にレンバースまで会いに行っている。


(カヲルたち、無事会えたかな? たしかバモールは隠された研究所だと昔ユナから聞いた気がするけど)


 これから俺たちが探しに行くアプの両親とそして…




(サラ・リヴァル……か)



 ストゥーベル学院とメラクニル村より北西…最西端の場所に、この国の権力者たちがいる首都レイドリックがある。


 ここは一部の国の人間しか入ることができず、主に軍人と国家の政治家などの上流階級者が住んでいる都だと授業で習った。


 10年前の戦争(事件)で多くの軍人と兵士は亡くなっており、今残っているのは政治を牛耳っているリヴァル家の一族と20代前半くらいの軍人達、そして60代以上の年配者だらけだという。


 軍人やその家族が多かったレイドリックは事件の犠牲者数が1番多い。

 その中でも国のトップ……何百人もいるらしいリヴァル家の人間は当時は当然兵役免除だった。


 マラカナとギアスはその一族の出だ。



(そういえばアプは同郷だと言っていたから、3人はレイドリック出身ってことだな。去年ギアスと3ヶ月ほど交際してたって言ってたけど、そんなにあの2人は学院に来てたのかな。全然気づかなかったけど……そもそもなんのために?)


 去年ユナはもう学院にはいなかった。

 レミナを連れてこの島に来ていただろう。


 まだまだ謎も多い。


(分からないことだらけだけど、まずは自分たちのできることからやらなくちゃ)


 さっきアプからもらった両親の名前のメモをポケットから出す。



『Donald・keen

Cecilia・keen』


 俺は書かれた文字をじっと見つめながら、しばらくベンチで物思いにふけっていた。


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