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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第10章 意外な人物
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【カトレアさん意外と強いんだ】

「ったくヨォ。いきなり撃つとかヨォ。当たったらどうスンだヨ。まったくコレだからニンゲンは……」


「ごめんなさい、つい」


 無理もないとグレースは思った。



「まーレミナのトモダチなら喜ンデ歓迎スルヨ。アノ道もっと細くするカァ。最近男も入って来るからナァ」


「ああ、それで……」


 変な道……とグレースは思ったが黙っていた。


「なんで、そんな格好なんですか? はっきり言って気持ち悪いです」


(うわ! はっきり言っちゃった!)


 グレースはさっきから心の中で突っ込んでばかりだ。


「脱いだらモット気持ち悪いんダヨ。ニンゲンから見たら」


 そう言って、とーまは頭巾を取った。


「えっモンスター……」


 カトレアは思わず声が出た。


 頭巾の下から出てきたものは、人とはかけ離れた姿だった。


 皮膚は爛れたように黒ずんでいて、全体的に緑色だ。そしてボコボコとした何倍にも膨れ上がった輪郭。まぶたもボコボコしており、目は小さく窪んだ下にあった。


 まさに化け物のような姿だ。


「10年前、ワケ分かんネー光でこうなっちまったノヨ。その前のコトとか全然覚えてないんだケドヨ」


 そう言って、とーまという店員は頭巾を戻した。モンスター変異しても人の意識は失わなかった稀なケースのようだ。


「あの事件の被害者か……」


「事件? 戦争じゃネーのか? まぁとにかくコンナ見た目だから隠してんノヨ。みんな逃げちまーからな。その代わりあんまヒトみてーに簡単に死なネーみたいなんだワ。オレめちゃ丈夫!」


 とーまはそう言ってピースした。

 どうやらめげない性格のようだ。


 とりあえず、最初の印象ほど悪いやつじゃなさそうだなとグレースは思った。



「隠すなら着ぐるみもっと可愛いやつがいいよ!」


(カトレアさん、問題点そこ⁈)


 グレースはやはり心の中で叫んだ。


「さっき銃撃ったお詫びに私が可愛い猫さん着ぐるみ作ってあげる!」


「ヒャー! そいつは嬉しいナァ! オマエ恋人にしてヤローかぁ⁈ ヒャ?」


「それは結構です」


 カトレアはきっぱり断った。


「んだヨ。そいつ彼氏かヨォ?」


「違います」


「じゃあ違うヤツがいるのかヨォ?」


「彼氏はいません」


 そこもきっぱりと答える。

 なんか意外と男らしい。


「マジかぁ⁈ じゃー俺にもチャンスあるってことだナァ⁈ マジで惚れちゃうゼィ!」


「好きにしてください。着ぐるみの材料はあるの?」


 彼女はとーまの告白に全く気にせずそう言って尋ねた。


「そりゃココはなんでもあるヨォ! だって『とーまの道具屋』だゼー⁈」


 とーまは嬉しそうだ。


 そして、後ろの棚から綺麗な色の布や裁縫道具を沢山持って来る。


「わぁこんなに綺麗な布……ステキ。あそこの席かりるね! 楽しみに待ってて!」


 カトレアは道具を受け取り、そう言って店の左側にあるソファへと向かった。そして着ぐるみ製作に取りかかった。

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