【気持ちは分かるけども……】
「カトレア! ちょっと止まるよ⁇」
「どうしたのーー⁇」
「あそこ……人工物ぽい崖がある。レミナの言ってたのはあそこぽい」
「あ、確かに違和感があるね」
高さ30メートルくらいの石で固め整備された壁が見えた。
グレースとカトレアは近くでバイクを停める。
壁と壁の間にはレミナから聞いた通り人1人やっと通れるような隙間があった。
「ここ俺だとけっこうギリギリだな。なんでこんな細いルートにしてあるんだろう……」
「なんでだろう。体格制限とか?」
「そんな感じかね」
2人は慎重に隙間を通り抜けた。
5分ほど進むと人工的に整えられた芝生の広い空間に着いた。
真ん中には縦に細長い石版がひとつ。
『この先、お客様以外お断り』
正面の洞窟の入り口の上の壁にも文字がある。
『入って100メートル先にあります』
言われた通りだ。
きっとここに違いない。
2人は標識の指示通りに洞窟を100メートルほど進んだ。
そして、レンガ調の小さい家まで来た。
入り口の看板に
『とーまの道具屋』
とある。
これだ! やっと見つけた!
グレースとカトレアは喜んだ。
「とりあえず、慎重に……俺が先に入るから、カトレアは少し経ったら来て」
「分かった」
グレースはドアを開ける。
ドアの上についていたベルがカランカランと鳴った。
そして中へと入った。
「へぃラッシャイ‼︎‼︎‼︎」
「うわ」
入った途端、耳に響くような大きな声。
グレースは声の方を見た。
正面には商品がガラスケースに入っており、その上のカウンターには店員? らしき人間? のようなものが……
「ん? なんだ。男カヨ⁈ んだよ。男くんなヨォ?」
なんだ、この店員。
入った途端に客に来んなよとか普通言うか?
それに……
この見た目
ヤバイ。
目を疑いたくなるくらいヤバすぎる。
詳しく説明すると頭からすっぽりと黒い頭巾を被り、その上にマスクとサングラスをつけている。首から下は過去にいた今の生物のご先祖、恐竜の着ぐるみをご着用だ。
顔を出したくないのか?
頭巾を被ってたらマスクとメガネいらねーだろ⁈ ってツッコミたくなるくらい、想像を超えた怪しすぎる容貌だった。
「……んだヨ。くんなヨォ?」
「あ、あの」
カランコロン……
「グレちゃーん? 大丈夫ー?」
カトレアが店へと入って来た。
「ヒャッホィ! 女キタぁ‼︎ しっかもベラボーに美人じゃねーカァ!」
「うわっ! 何アレ⁈‼︎」
カトレアは驚きの声をあげた。
そして思わず店員?に光線銃を向ける。
「や! カトレア待て! 気持ちは分かり過ぎるくらい分かるけど、撃ったらダメだ!」
グレースは慌ててカトレアを止めたが…
怪しい店員? はヒャー! そうユー気が強い女ぁも好みだゼーィ? ヒャッホィと意味不明に叫んでいる。
カトレアは迷いなく引き金を引いた。




