【レミナさん困ります】
「しかし、リンは回復が速いな。あんな傷を受けたら私でも治るのに1時間はかかる。リンは回復に特化したタイプなのかもな」
レミナは告げた。
自分の体のことは分からないことだらけだ。
「そうなんだ。これが、兵器の力ってやつなのか……」
「たぶんな。私は超加速でユナの武器を行使して切り刻んでいるだけだ。腕力はそこまでないが速さはある。回復も人より速いが、薬や状態異常の耐性に特化している。今のところ分かっているのはこれだけだ」
今までモンスターと戦ったことは?とレミナは聞いた。
「あるけど、倒さないし……逃げたり追っ払うだけ。ロットやストゥートではあんなデカくて禍々しいやつらじゃなかった」
「元々あの島国にはモンスターはいなかったようだな。歩いてても滅多に合わないし、ユナの話だと変異した人のようだ。それなら納得だ。人は弱くて臆病だからな。鉢合わせしない限り襲ってこないだろう」
レミナはあれだけ強ければ、モンスターの元ヒトは簡単に倒されていただろう。
ユナが1人で行動させる理由が分かった。
「しかし、最近は海でもピストシアでもああいうモンスターが増えてきたようだ。ユナのいう黒幕ってやつの仕業かもな。ストゥートとロットは今は閉塞的だから、化け物も情報も遅いな。他の大陸からは変わった島国と見られているぞ」
「え……」
「他の国はあの2つの国よりもっと広くてデカイ国がいっぱいある」
レミナは世界は楽しいぞ。色んな人種や色んな食べ物、色んな国の特徴があると言った。
「ねぇ、ずっと不思議に思ってたんだけど、レミナ言葉上手くなってない?」
「バレたか。ロットやストゥートではカタコトに喋る方が助けてくれる人が多いのでな。あえてそういう話し方をしてたんだが、実はちゃんとストゥート語もロット語も話せるぞ」
「確信犯かい」
俺は呆れる。
初めて港で会った時は、てっきり知らない土地のか弱い少女かと……まぁ一瞬でレミナだと悟ったのだけれど。
「昔は喋れなかったけど」
「ん?」
「いや、なんでもない」
レミナは気にするなと言った。
「ところでさ……」
「ん?」
「どうしてレミナはここで喋ってるわけ?」
俺は今の状況に気が気でない。
……異常だ。
「ここの方が2人きりになれるからに決まっているだろう。こんな会話はあまり他の人に聞かせない方がいい。なんだ? 恥ずかしがってるのか? 私は大丈夫だ。全く気にするな」
レミナはきっぱり断言した。
「いや、気にするし! ここ船のシャワー室で俺まっぱでシャワー中ですから!」
今は会話のためシャワーは止めている。仕切りもあるけど、もし中に入られたらとても困る! 見られたらもうお嫁に行けない! って気分だ。
「安心しろ! もう出てやる。ははは。とりあえず、リンもめでたく兵器の力が分かってきて良かったということだな。とりあえず超回復と名付けよう。ははは」
レミナはそう言って、やっと出て行った。これで、洗体の続きができる。
「はぁ〜疲れた」
俺はシャワーのノズルを開けて、再び体を洗い始めた。




