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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第9章 船に乗って島へ
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【レミナさん困ります】

「しかし、リンは回復が速いな。あんな傷を受けたら私でも治るのに1時間はかかる。リンは回復に特化したタイプなのかもな」


 レミナは告げた。

 自分の体のことは分からないことだらけだ。


「そうなんだ。これが、兵器の力ってやつなのか……」


「たぶんな。私は超加速でユナの武器を行使して切り刻んでいるだけだ。腕力はそこまでないが速さはある。回復も人より速いが、薬や状態異常の耐性に特化している。今のところ分かっているのはこれだけだ」


 今までモンスターと戦ったことは?とレミナは聞いた。


「あるけど、倒さないし……逃げたり追っ払うだけ。ロットやストゥートではあんなデカくて禍々しいやつらじゃなかった」


「元々あの島国にはモンスターはいなかったようだな。歩いてても滅多に合わないし、ユナの話だと変異した人のようだ。それなら納得だ。人は弱くて臆病だからな。鉢合わせしない限り襲ってこないだろう」


 レミナはあれだけ強ければ、モンスターの元ヒトは簡単に倒されていただろう。

 ユナが1人で行動させる理由が分かった。


「しかし、最近は海でもピストシアでもああいうモンスターが増えてきたようだ。ユナのいう黒幕ってやつの仕業かもな。ストゥートとロットは今は閉塞的だから、化け物も情報も遅いな。他の大陸からは変わった島国と見られているぞ」


「え……」


「他の国はあの2つの国よりもっと広くてデカイ国がいっぱいある」


 レミナは世界は楽しいぞ。色んな人種や色んな食べ物、色んな国の特徴があると言った。



「ねぇ、ずっと不思議に思ってたんだけど、レミナ言葉上手くなってない?」


「バレたか。ロットやストゥートではカタコトに喋る方が助けてくれる人が多いのでな。あえてそういう話し方をしてたんだが、実はちゃんとストゥート語もロット語も話せるぞ」


「確信犯かい」


 俺は呆れる。

 初めて港で会った時は、てっきり知らない土地のか弱い少女かと……まぁ一瞬でレミナだと悟ったのだけれど。



「昔は喋れなかったけど」


「ん?」


「いや、なんでもない」


 レミナは気にするなと言った。



「ところでさ……」


「ん?」


「どうしてレミナはここで喋ってるわけ?」


 俺は今の状況に気が気でない。

 ……異常だ。


「ここの方が2人きりになれるからに決まっているだろう。こんな会話はあまり他の人に聞かせない方がいい。なんだ? 恥ずかしがってるのか? 私は大丈夫だ。全く気にするな」


 レミナはきっぱり断言した。


「いや、気にするし! ここ船のシャワー室で俺まっぱでシャワー中ですから!」


 今は会話のためシャワーは止めている。仕切りもあるけど、もし中に入られたらとても困る! 見られたらもうお嫁に行けない! って気分だ。


「安心しろ! もう出てやる。ははは。とりあえず、リンもめでたく兵器の力が分かってきて良かったということだな。とりあえず超回復と名付けよう。ははは」


 レミナはそう言って、やっと出て行った。これで、洗体の続きができる。


「はぁ〜疲れた」


 俺はシャワーのノズルを開けて、再び体を洗い始めた。

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