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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第9章 船に乗って島へ
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【名残惜しいレミナ】

 トントンとドアを叩く音で目が覚めた。


 ここはどこだ?

 と寝ぼけ頭で考える。

 そしてすぐに実家だ……と思い出した。


「兄貴〜そろそろ6時だよ。起きてるー?」


 ドア越しに妹の声が聞こえた。

 俺は今から行くーと伝えてベッドから降りた。昨日母が用意してくれていた服に着替える。そして出かける準備の仕上げをした。


 置いてあった服は男性服としてはけっこう小柄なサイズで、今の俺の体にピッタリである。

 わりと高身長だった父さんの服ではなさそうだ。

 ユナとリリフの父の物だろうか?



 俺は1階に降りた。


「リンおはよう。よく寝れた? 朝ごはん食べる?」


 リビングまで来た俺に母は声をかけてきた。俺は食べる! と答える。


「待っててね」


 リサはそう言って、パンを切っている。フライパンの上には目玉焼きとノア肉ベーコンのコンビが残ってた。

 とっても美味しそうである。


 良かったいつもの母に戻っていると俺は安心した。


 テーブルまで来るとリリフとレミナはもう食事を食べ始めていた。おはようと言ってきた2人の服も昨日とは違う。


「あれーその服……」


 レミナの今の格好に見覚えがあった。


「ん? ああこれはリンの昔の服だそうだ。リリフの服よりも、私の好みに合っていたのでな。借りてるぞ」


 なるほど通りで……と納得した。

 確かにピンクや黄色のヒラヒラした服よりは、レミナは赤や青でボーイッシュな方が似合う。


「ちゃんと洗って返すぞ」


「いや、それ俺もう着れないから。レミナにあげるし、好きなだけ持っていっていいよ」


「ホントか⁈ 悪いな! いただこう。あまり着替えがないのだ」


 レミナは嬉しそうに笑った。


「リリフも似合ってるね、その服」


「私は母さんの服を借りたわ。落ち着いたステキなワンピース」


「欲しかったらあげるわよ。それも私の若い頃の服で、もう来てないからね。良かったら何着か持っていって。リンもディックの服だけど」


「ありがとう!」


 俺たちは遠慮なく服をいただいていく。母の気遣いがとても嬉しかった。



 朝食をみんなで食べたらもう出なくてはならない時間だ。

 港で仲間が待っている。

 

 身支度をしていると、母は俺に小包渡してきた。包みを確認すると中にはお金やお菓子など結構な量が入っている。

 俺は驚いて母を見た。


「少しだけど足しにして。来てくれて嬉しかったわ。みんながんばってね。いつでもまた寄って」


 俺たちはありがとうとお礼を言って家を出た。そのまま坂を下る。

 レミナは名残惜しいのか後ろを何度も振り向き、ドアの前にまだいるリサに手を振りながら歩いていた。

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