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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第9章 船に乗って島へ
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【実家でまったり】

 ここは港の坂の上の実家だ。

 俺は食事を終えた後、風呂に入ることにした。


 あの後は母になんて話しかければいいのか分からなかった。リリフも食べ終わったお皿を片付け自分の部屋に行ってしまった。


 レミナはリビングでゴロゴロと転がっている。


 俺は服を脱ぎ、脱衣場から浴室に入った。ここのお風呂に入るのはかなりの久しぶりだ。


(家の風呂ってこんな感じだったっけ? もっとすげー広いイメージあったけど、やっぱ子どもだったんだなぁ……)


  学院は広い浴場が寮に1つとシャワールームが各部屋にあるが、大体は面倒くさいのでみんな部屋のシャワーで済ませてしまう。ゆっくり湯船に浸かることはあまりなかった。


 母はお湯を沸かしてくれていたようだ。掛け湯をした後、民家にしては若干広めの湯船に足から浸かった。



「ふぁぁ体がほぐれりゅるる」


 ちょうど良い温度のお湯が体に絡みつく感じでとにかく気持ちいい。

 足も伸ばせるし「あぁこれぞ我が家」とかジジくさいこと言ってみる。


(やっぱり、リサは血が繋がってなくても俺の大事な母さんだ。今日はちょっと落ち込んでるかもしれないけど、明日には元気が出るよね。きっと母さんは大丈夫だ)


 俺は気持ちよくて、ちょっと長めに浸かりながらそう願っていた。


 長風呂の後に脱衣場に出ると、俺の脱いだ服はいつのまにかカゴの中に入っていて、代わりにキレイな寝巻きと明日の着替えの服が畳んで棚に置いてあった。


 入浴中にリサが用意してくれたようだ。


(ありがたい……)


 俺はノリのきいた寝巻きに着替えた。

 新品ではないけれど、キレイだ。


 パジャマなんて着たのいつぶりだろうか。学院ではTシャツと短パンのようなカッコで寝ることがほとんどだった。


(はは、肌触りいいな)


 入浴後にリビングに戻ると、ソファで母に必死で話しかけているレミナの姿があった。

母はレミナの会話を黙って聞いていたが、少し表情が和らいでいる。


 ここはレミナに任せ、母に服のお礼を言って、そのまま2階の自分の部屋に向かった。

 途中、隣のリリフの部屋にお風呂上がったことを伝えたが、ドア越しに長風呂過ぎ! と怒られた。


「ごめんごめん。めちゃ気持ちよくてさ! のんびりしちゃった。お先〜」


 俺はそう言って自室に入る。

 懐かしい部屋だ。

 あまり覚えていないが、なんとなく安心する。


 俺は寝るまでの時間を机の引き出しや棚の中を漁ったり、整理したりすることにした。


 ガサガサと色々と取り出す。


 出てくるのは古いガラクタばかりだ。

 おっ、これは? と中々使えそうなものもあるじゃないか。


(持って行ってみようかな……)


 俺はガラクタの中から、面白そうなものを10個ほど並べた。

 あの頃は何なのか分からなかったが、前にユナにもらって、今日レミナに渡したやつにそっくりな物がある。

 専門的な知識もないし詳しくは分からないが、もしかして同じものかもしれない。


(そうそう、じーぴえす。よく似てるからユナに見せてみよう)


 他にも何やらキラキラした石やどっから拾ってきたの? っていうようなものもある。幸いそんなに大きくないから、とりあえず俺は部屋にあったカバンに全部詰めた。


(今日は何の用意もせずリリフと学院から抜け出して来たからね。途中で服とか買わないとな……)


 そんなことを1時間もすると段々と眠気がやってきて、すかさず寝床に入る。

 ベッドの布団カバーやシーツは母がすでに新しく付けてくれていて、懐かしい家の洗剤とお日様の香りがした。


 明日はグレースたちと合流するため、朝早めに港まで降りなければならない。少し早いが寝ることにした。

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