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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第7章 ユナとレミナはどこに?
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【もしかして君が】

 俺とリリフは秘密の抜け穴通路を通り学院の東側の外にでた。

 ここからそのまま北東に向かうと、港がある。名もないその港は、他の大陸に渡るための船が出ており、日に何回か往復している。


 俺たちの母さん……リサはそこの高台にある小さな家にひっそりと住んでいた。学院からはわりと近い所なのだが、俺は入学してから一度も家に帰ってはいない。


 リリフも6年ぶりのようだ。


「母さん元気かな……」


「私も全然連絡してないし、ちゃんと会えるかな。ちょっと心配」


 俺たちは軍に気づかれていないか気が気じゃないが、少し早足で港を目指す。徒歩で30分ほどで着くはずだ。


「みんなは俺が遅いと怒ってるかな」


「たぶん。もしかしたら、探してるかも? 私がいないことにもいずれ気づくよね」


 みんなは学院や軍には黙っていてくれていると思うが、心配はかけてしまっているかもしれないと申し訳ない気持ちになる。


「通信機を借りてくれば良かったかなぁ。この石は一方通行だろうし」


「なに? その石」


 リリフは俺の左腕に付いているブレスレットになった石に今初めて気づいたようだった。


「じーぴーえすだって。ユナにもらったの。グリル村で」


「それ、初耳」


「まぁ、色々あってね。どこから話すか……」



 とりあえず、俺はユナに会ったことやユナに言われたことを全部伝えた。

 リリフは驚いていたが、今の状況なら納得できると頷いた。



「じーぴーえすって話せるの?」


「場所が分かるだけみたい。ユナの方が」


「へーでもそれじゃ何もできないね。どこかの家で電話借りる?」


 電話かぁと俺は悩ましげに呟く。さすがに港につくまで民家はなさそうだ。


「う〜ん。Bグループの番号は分かるけど、運良く《探索》チームが歩いてはいないだろうし……」


「みんな学院で待機よね。母さんの家に着いたら連絡した方が早いかもね。あと10分くらいだし」


「そうだね」


 俺たちはやはり早足で海の方へとどんどん歩いた。

 少し経つと、港も遠くに見えてきた。




「もうそろそろ港だね。家は港の長い長い坂の上。久しぶりだから足に来そう」


 たしかにかなり懐かしいと俺は言った。


「今日は静かだね。船、お休みかな?」


 港はほとんど締まり、閑散としている。停泊中の船も見当たらない。


「もしかしたら非常事態に国が止めてるのかも」


 今回のモンスター襲撃(本当は村人のモンスター化現象が問題らしい)に備え、みんな家で静かに過ごしているのだろう。

 おかげで自分たちも目撃されず、見つかりにくくていいが。




「きゃっ!」



 と、港の半分くらい行った先でリリフがマントのフードを頭からかぶった子どもとぶつかった。2人はお互いに弾かれて後ろに尻餅をつく。


「あっ、大丈夫? リリフ」


 俺は慌てて駆け寄る。


「ちょっとよそ見してたから……あなたも大丈夫?」


 リリフはそう言って、ぶつかってきた子共に声をかけた。


「ちょっと、おしりいたかったぞ。でも大丈夫だ」


 フードを被っているので顔はよく見えないが、風貌や格好からは女の子のようだ。しかし男の子のような喋り方である。


「そうか、良かった。君は1人? 港の子?」


 俺は迷子かも……と尋ねる。


「むぅ。私はもう14歳だ。子どもじゃないぞ。それと港の子? よく分からない。船は出てないぞ。今日はお休みのようだ。何かあったのか足止めだ。帰る予定だったが困っている」


 そう言って、こちらを向いた。


 その瞬間フードが後ろに落ちる。

 顔が見えた時、俺とリリフは驚愕した。


「俺そっくり‼︎」

「兄貴そっくり‼︎」


 俺たちは飛び上がった。

 まさか……


「もしかして君が、レミナ……」

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