【アプから聞かされた真実】
「アプ、今なんて?」
俺は歴史がひっくり返るような…信じられない言葉をアプの口から聞かされた気がして…思わず聞き返した。
彼女は一体何を研究し、その細い体で何を背負っているのか……
「今ロットにいるモンスターは生体実験の失敗により変異した人の姿だと私は睨んでる。それを隠すためにロットの中心地で第4兵器に自爆させたのかもしれない。でもあくまで推測でしかなくて、ユナって人が何か知ってるかも。でも居場所が……」
そう言ったアプの顔には強い焦りが見える。俺たちはもう引きもどせない所まで来てしまっているのかもしれない。
ユナに会って色々と聞かなければ……
「もしそれが事実だとしたら、今までの国の歴史は全てが虚偽ということになるな。まさに大事件だ」
グレースはそう言って、アプに渡された書類を握りしめた。
「それがアプの研究?」
カヲルは聞いた。
「そう。これが私が《研究》チームにいる個人的な理由。今まで言ったことは《研究》チームとは関係ないのだけど、変異したモンスターの中に私の両親がいるかもしれないの」
「えっ」
「ううん。私の両親だけじゃない。もしかしたら死んだことにされているみんなの家族は」
アプの言っていることは、あくまで推測だ。しかし辻褄の合わない国の説明に俺も疑い始めているのは確かだった。
「最近の国はモンスターを殺すことを異様に拒否している。もしかしてストゥート人もいるかもしれないから?」
「そう。前に《探索》でリン君とカヲル君が説明してくれた時に、あれ?って思った。もしかしてモンスターの中にその場にいた研究者も巻き込まれているのでは? と。でももう国レベルの企みなのか、誰が黒幕なのか分からないわ。軍も利用されている可能性もある」
「ごっつ怪しいのは俺の父さんだけど……」
「確かに1番疑わしい。けど、記録や環境、時代、タイミングが全て将軍を指してるのが、逆に不自然な感じもするの」
簡単に答えは出さない方がいいかもしれない…とアプは言った。
「じゃあやっぱり、まずはユナを探さないと始まらないってことだね!」
「ユナ君を探す……うんそれか1番早い近道かもしれない」
「なら、うちの教授に相談してみよう。あの人は他の教授とは違う観点でものを見てるし、他の大人より信用できると思う。彼女なら理由をつけて俺たちを《探索》に出すことができる」
俺やアプの言葉にグレースは言った。
「変わった人だと思ってたけど、今動きやすいのはコロア教授様々だなぁ」
カヲルも笑ってそう言った。
「ユナにもらったこの石。向こうは俺の場所分かるって言ってたけど、こっちは分からないのかな? 向こうが気づいてこっちまで来てくれるといいんだけどなぁ」
「それは受信機だと思うから、一方通行だと思う。でもそうねぇ、もしユナ君がリン君が変な所にいたら、何か察して来てくれるかもしれない。これは私の勘だけどね、ユナ君とレミナはストゥートにもロットにもいないと思うのよね。どっちも国の軍の管轄だから見つかりやすいし。たぶん海を越えてどこかに」
「マラカナって人もなんか、トロピカル? みたいな帝国かなぁって言ってたよ」
俺は管理ビルの中での会話を思い出して、うろ覚えながらそう告げた。
「ピストシア帝国な。南国の発展王国だなぁ。人もおおらかでそして美女と海と美女がいっぱい天国のような所だと聞いた」
と言ったカヲルはいやらしい顔をした。
俺はもうリリフに言うぞ!と釘をさす。
「さすがにコロア教授でも海の向こうは指定できないと思うぞ。国に何か感ずかれそうだ」
「そこなのよね。グレース君。さすがにあまり目立って行動したくない。私たちが拘束されたら、意味ないし」
うーんと俺たち4人は悩んだが何も浮かばず。とりあえず一度学院に帰り教授も含めみんなと相談するしかないかと結論を出して研究所から出ることにした。




