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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第6章 再びロットへ
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【とりあえず見てみよう!】

「そこまで分かればいい。内容は言えないよね?色々と正直に答えてくれてありがとう。アパレル。さて、次は…そのめもりの中と同じものを見ることだな」


 グレースはそう言って、アプの腰に下げているカバンを指差した。


「グレース君、これは……」


「ああ、分かってる大丈夫。好奇心とかじゃない。うちの《探索》チームの顧問の勧めでね。後で何かあった時の役に立つかもしれないから、見れる時に確認しておこうと思って。コピーってことは、こっちのコンピューターに同じもの残ってるのかな?」


 アプは冷や汗をかいている。


「知らなかった。グレース君て結構強引なんだね」


 アプは先ほど質問を受けていた時とはうって変わり、グレースを睨んで言い返した。


「俺は大事な仲間を守るためならなんでもするよ? それが俺の生きがいであり信念だからね。アプだってそうだろう? 《研究》チームにいる目的もちろんあるよね?」


 グレースも意地悪く返す。

 ちょっとこの2人は似てるなと思ってしまった。


「分かった。いいよ。見よう。その代わりこの中のことは私も想像つかないことがたくさんある。ショックを受けても知らないよ?」


「望むところだね。もしイヤならみんなは出ててもいいよ? 俺1人で見ても」


 グレースはそう言って俺とカヲルを見回した。


「当事者の俺が見なくてどうすんたよ! 俺だって見てやる!」


 俺は断言した。


「1人でカッコつけんなよ。グレース。俺だってリンや仲間のためなら何でも来いだ」


 カヲルも続いた。


「わかった。見よう。リン君、マナに私の言葉をインポートして指示に従うように命令してくれる?」


「イポート?」


「アパレルの指示に従ってでいいわ」


 俺は言われた通りにマナに命令をした。


『生体実験ノ記録データ ダシマス』



 ピッ


 ピッ、ピッ



 

-テディア歴125年-

生物兵器開発人体実験1

被験者:26名

結果:失敗

概要:肉体が耐えきれずカプセルの中で分離し6名死亡。20名脳異常による脳死。



 ピッ


-テディア歴126年-

要項:生物兵器開発人体実験2

被験者:10名の幼児、児童

結果:トラブル発生

概要:拒否反応あり暴走開始。研究員に犠牲者が出たため、全員射殺処分。


 ピッピッ



 その後もずっと記録は続いていた。

 すべて失敗に終わっているようだ。



「実験ってこんなに……」


 これが本当ならあまりにも惨たらしい事実だ。


「テディア今何年? グレース」


「395年」


「およそ270年前か……」


 カヲルは随分昔だなと言った。



「同じようなことを何百年も行なっていたみたいね。とりあえず、最近の記録まで飛ばしましょう。マナ! 350年以降にしぼって」


『カシコマリマシタ』


 ピッ


-テディア歴354年-

要項:生物兵器開発遺伝子操作実験1

年齢:人口胎児 10名

体重:不明

性別:不明

9体異常あり。育成ならず。

1体問題なく成長。

能力の有無は不明。

薬物実験による拒否反応なし。

備考:シーク・グレイダー主任がソルトウェルトと名をつける。(以降被験者S)


被験者S:健康状態問題なし。

人類史上最初の生物実験成功と判断。

施設にて成育することとなる。

教育係:サラ・リヴァル



「リヴァルって……」


 俺は聞いた。


「マラカナ達の親ね」


「げっ、あいつらの親か」


 と、カヲル。


「……続きを見よう」


 と、グレースも苦笑いして言った。



 ピッ

 ピッピッ


「この辺からほとんど将軍の実験や成長記録ね」


「父さんすごいな。知能が高く、10歳の頃にシーク?って人の養子になってる。20代で施設の責任者に。そのまま施設を引き継いでるのか……」



「リンてホントにこの人のクローンなの?」


「あ! カヲルひど!」



「度重なる実験と薬物投与でおバカになっちゃったのかもな」


 グレースもそこは否定しなかった。


「がーん」


 俺は軽くショックだ。



 ピッ



-テディア歴379年-

要項:生物兵器開発遺伝子操作実験2

対象:クローン胎児(2ヶ月)

結果:良好

概要:生物兵器開発成功

遺伝子提供者:ソルトウェルト・グレイダー



「これね。私の両親のサインもある」


「マラカナの言っていたことはホントだったか……」


 アプとカヲルは落胆した様子で言った。



「これで決定的になってしまったな。軍のやつらはこのデータを今頃使って何を企んでいる?」


「グレース、また俺やレミナって子みたいな兵器を作って戦争でもするのかも。ユナは戦争は終わってないというかホントは戦争すらなかったって言ってたけど……」


「リン君、ユナって人に会ったの?」


「あ、ごめん。言い忘れ。グリル村で」


 俺はユナから言われたことをアパレルにそのまま伝えた。


「なるほど。戦争なんかなかったって彼が言ってたとしたら……」


 アプは急に独り言を話し出す。


「あ、いけね。ユナにもらったじーぴーえすも忘れてた」


「忘れすぎ」


 カヲルはそう言って見せてーと俺の腕についてる石を覗いていた。隣でアプは何か言っているが、よく聞こえない。



「アプ? どした?」


 グレースは聞いた。


「これで繋がった。この二国間で戦争なんて起きてない。きっと第4兵器はわざと自爆させた。今ロットにいるモンスターはロット人だわ」

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