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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第6章 再びロットへ
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【自由すぎる……】

「軍から要請が来た。派遣する生徒はリン、アパレル、カヲルのみ。詳しくは全てアパレルに伝えてあるそうだ。やっぱり親が関係者のこの3人を指定して来たなぁ……」


 ここは教授専門の自室だった。

 生徒の寮の個室と比べて3倍くらい広い部屋だ。部屋の隅に積み上げられた本やテーブルの上に無造作に置かれた書類の束などが散乱しており、それだけで住人の性格が伺える。


 グレースはコロアに呼び出され、軍からの通達を伝えられたとこであった。


「コロア教授、こんな軍の言いなりで良いんでしょうか? 俺たちにできることはないですか?」


 グレースは聞いた。

 リンたちがまた危険な目に合うかもしれない。


「んー、そうだなぁ……じゃあお前3人についてくか?」



「は⁈ え、良いんですか?」


 予想外の返事にグレースは目を丸くした。


「いいよ。別に。前回3人で活動させたらアパレルが倒れて危なかったから今回も3人じゃムリ〜ってゴリ押ししとくよ。なんせこっちは『昨日のリンが聞かされた事情』は何も知らないことになってんだからさ~」


 コロアはそう言って、意地悪くニヤリと笑った。

 

 このコロアという人間は保守的な考えの教授が多い中、平気で反則技をやってのける。びっくりするような大胆な行動や頭の回転の速さにはいつも脱帽するばかりだ。


 ある意味尊敬に価する。

 自分には真似できないが……



「確かに。でもその方が俺も安心です」


 あの3人だけじゃ心配とグレースは笑って言った。


「ははは。まぁ向こうも極秘事項をこっちに簡単に話すわけないし。沈黙貫いてうちの生徒使おうとしてんだから、逆に知らないふりして利用してやればいいさ。ついでに《研究》チームも巻き込んでやるか! ははは!」


「教授、そこまで来ると本末転倒です」


「冗談だよ。というわけでグレース君。今回もあの子たちのお世話よろしく頼むよ。先生は君たちの無事な帰りを待ってるぞ。ついでにリンに関する書類があったら見ちゃえー!」


「そんな軽いノリで……」


 いつもの教授の調子で話は進む。


「軍は急がないみたいだから、出るタイミングは自分たちの都合で出な~? しばらく授業も課題も免除だ。まーお前ら優秀だからいいわ」


 グレースはコロアの言葉に頷き、そのまま部屋を出た。



「自由すぎる……」


 グレースは広い職員棟の廊下を歩きながら、思わずそう呟いていた。





『……それで何? 私たちは留守番なわけ?』


 グレースはコロア教授の部屋を出て自分の寮まで戻り、すぐに副リーダーのワイズに先ほどのやり取りを伝えた。


「まぁ今回はそんな大人数では行けないでしょ。リリフはまだ作業年齢ではないし。カトレアとお前らは残って俺たちに学院の動きや教授の伝達をそれとなく伝えて欲しいと思ってる」


『……わかったわよ。カトレアやリリフにも言っとくわ。気をつけて行きなさいね』


「……サンキュ」


『じゃ……』


 通信はプツっと音を立てて切れた。

 さて、リンたちにもこのことを伝えるかとグレースは3号館の寮まで向かう。


(いっそ、全員分スキャナーほしいな……いちいち移動も大変)


 グレースは手軽に持てる通信機のようなもの。

 そう、そんな文明の革命のようなものを誰か発明してくれないかなと誰よりもセツに願ったのだった。

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