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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第5章《探索》終了!学院に帰還する!
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【そこにいたの?】


「なるほど」


「黙っててごめんね」


 あれから俺たちはまだ部屋の中にいる。


 いっそ教えるならと、グレースにはあの時のユナとの会話を全て伝えた。


「いや、ユナの気持ちも考えれば言い出せないのは分かる。よく言ってくれたよ」


 グレースは大丈夫と言った。


「うん。呼び出しこのことかなぁ?」


「う〜ん、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。もしユナとリンが会ってる所を軍関係者が目撃してたらユナたちは今ごろとっくに拘束されてるだろうし……」


 グレースも難しそうに考え込んでいる。


「そうだよね」


「それと、手紙を届けた女の子も気になるな。ユナが言うにはアプが追いかけたのはそのレミナ? って子みたいだけど、そんなことアプは一言も言ってなかった。アプはホントに分からなかったのだろうか。宿屋の主人の感じだとフードを深く被った小さい女の子だったと言っていたから、性別くらい分かりそうなものだろ?」


「アプが俺たちをだましてたと?」


 俺は目を丸くして言った。


「だましてたというか、余計なことを言わなかったと考えた方がいいだろう。自分の見たことに確信が持てなかったか俺たちを巻き込まないようにしたとか。そうなると、事はけっこう重大かもしれない。アプも呼び出されている可能性もある」


 巻き込まないようにと俺たちを気遣うのはアプならありうるだろう。


 現に着くなり早々研究室に呼び出されていた。何か問題でも起きているのかもしれない。


「それ、ヤバイだろ。軍の関係者で学院にも強く言える権限を持つ人物は1人しかいないじゃないか。ましてやユナが「気をつけろ」と言った相手かもしれないぞ」


 不意に声がかかる。


「そうなんだよ、グレース? え?」


「いや、今の声俺じゃない」


 そーいえば声は後ろから聞こえてきていた。この部屋の中に入ってくる人間といえば……


「はい。俺です」


『カヲル⁈』


 俺とグレースは振り向き同時に声の主の名前を呼んだ。


「いつからそこにいたんだ。盗み聞きなんて人が悪いぞ」


 グレースはまいったなと、頭をかかえてため息をついた。


「人の部屋の中で堂々と聞かれたくない話を展開してるのが悪いと思うけどね」


 カヲルは壁に寄りかかりながら、腕組みをして立っている。


「いつからそこにいたのー?」


 俺は聞いた。


「グリル村で夜中にリンが村の外に出てたって、グレースが言ってたあたり」


「ほぼ全部じゃないか!」


 カヲルにはほとんど聞かれていたらしい。俺はすかさず突っ込んだ。


「ちょうど帰った時に聞こえただけさ。でさ、どうするん? リンとアプがやべーんだろ?」


 カヲルの言葉に俺はドキッとする。


 これでグレースだけではなく、カヲルまでも……なんか巻き込まれる人がどんどん増えている気がしてならない。


「まぁ、実際どんな要件かはリンが行ってみないとことには分からんよ。今回のこととは全然関係ないかもしれないし。とりあえずリンが帰ってこなかったり、新しくアザとか出てきてからまた考えよう。その時はみんなにも相談するからな、リン」


 グレースはとりあえず事情を第三者が知っていることが重要だから、自分たちはアクションが起こってから動こうとカヲルに提案した。


 カヲルは頷く。


「そろそろ4時か。ちょっと早いけどワイズたちを呼び出すか。個別室で早めに《探索》の報告書をまとめるのと、あと色々その他」


 グレースはそう言ってスキャナーでワイズに女子を集めるよう指示を出した。


「俺らも行くか。リンもチーム部屋の建物から管理官のビルまでそう遠くないしみんなと一緒にいようぜ」


「だね〜俺も行くよ〜。時間まで報告書手伝う」


 カヲルの言葉にそう言って、俺たちは部屋を出て4号館まで向かった。

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