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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第5章《探索》終了!学院に帰還する!
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【なんてこった!】


「いやーバイクだと早いなぁ。次からもバイクでお願いしたいなぁ」


 学院にある大きな時計塔の針は昼の12時を過ぎようとしていた。


 俺は5日ぶりに戻ってきた学院の道を歩きながらそう呟いた。


「そうねぇ。楽だったわねぇ。私は運転してないから特に。と、研究室の方で呼び出しが。私はもう行くね〜。ゴメンねみんな、またね」


「あ、うんまたねー」


「ありゃ、着いて早々大変だな」


 俺やカヲルの言葉を聞くより先にアプはそう言って足早に行ってしまった。


「俺たちもとりあえず顧問に挨拶して、用済んだら昼食とって個別室で今回の《探索》活動のまとめかな」


 グレースは言った。


「戻ってきたって言うくらいなら私たちだけでいいわよグレース。みんなにには先に食事取ってきてもらったら?」


「それもそうだな。今回はあまり報告すること少ないしな。ほぼ村の手伝いしかしてない……みんなまたな」


 ワイズの言葉にグレースはそう言って、2人は教授のいる建物の方へ向かった。


「さて、いきなり自由時間になりましたな」


「そうねぇ。カヲル君、お弁当食べるついでにカフェしに行く?」


「いいね! 久しぶりに2人で水入らず。リン、カトレア悪いけどまたな」


「ういうい。いてら〜」


 俺はそう言って、リリフとカヲルを手を振って送り出した。


「リンリン、みんな行っちゃったね」


 そうして1人減り2人減り、気づくとカトレアと2人になっていた。


 いつもなら気まずい雰囲気だが、今回の旅でカトレアに対するイメージはガラリと変わった。


「あ、まだリンリンなんだ? 俺たちもご飯行こうよ」


 俺は普通に軽く誘った。


「うん行こう。実は私がいる療の近くに新しくパン屋さんができて、食べるところもあるんだ。せっかくだしお弁当と一緒にパンも食べちゃう」


「あ、そこ知ってるー! 前々から行ってみたかったんだ。ぜひ行こう。カトレアってワイズと同室なんだっけ? 大体いつもワイズと過ごしてる感じ?」


 俺は歩きながら、聞いた。


「いつも大体1人かな。ワイワイは忙しいの」


 ワイワイとはワイズのことだ。


「あ〜、まぁ俺も最近はカヲルとあんま一緒にいないなぁ。学院で同室になって子どもの頃はいつも一緒だったけど。カトレアってさ、俺と同い年なんだよね? ワイズとはここに来る前から知り合い?」


 俺は聞いた。


 女子寮の方はけっこう遠いので、着くまでの間にも色々と話せそうだ。


「そう。元の家が隣同士で、戦争の時も同じ施設にいたの。私は北の方から引っ越してきたばかりで、友達もワイワイしかいなかった。2人とも両親死んじゃってしばらくは施設にいたけど、1年くらい経って学院に連れてこられた」


「そうだったんだ。ねぇ聞いても良い? ワイズって昔からあんな感じの性格だったの?」


「昔からしっかりしてたよ。私は言葉がみんなと違ってて、けっこう避けられたりしてたから、庇ってくれたり気にせずに付き合ってくれた。ワイワイ、良い子だよ」


 カトレアはそう言ってニコリとした。


 整いすぎた綺麗な顔立ちの彼女。

 笑顔に少しドキっとする。


(やばー、改めて見るとホントに綺麗な子だなぁ。)


 平常心平常心と、俺は自分を抑えて続けた。


「ワ、ワイズってちょっと怖いとこあるけど、やっぱ根は優しいんだね。しっかりしてるし、グレースの奥さんになったらグレースは尻にしかれそうだなぁ」


 と、冗談まじりに言ってみせた。


「あ、ワイワイとグレちゃんそういう仲だったの⁈ ワイワイとグレちゃんが……」


 カトレアは急に下を向いて真面目に考えだした。


「え、あ、冗談だよ冗談。2人は付き合ってとかそういうのではないと思うよ。まだ」


 俺は慌てて訂正する。


「ワイワイとグレちゃんが……私もしかしてジャマ? あ、どうしよう……」


「いやー冗談だって! 間に受けちゃダメだよ」


 俺は再度、改めて訂正した。


 カトレアはまた前みたいに黙ったままだったが、俺は気にしない。


 トコトコと……2人で歩いてだいぶ来た。


「そろそろ公園が見えてきたね。ここを抜ければ女子寮の方だ。池の水が陽に当たってキラキラして、やっぱりロットとは違うなぁ、うわー眩しい」


 ここも5日ぶりだ。変わっていない様子に安心する。


「お、おかえりー! 相変わらず元気そうだねぇ」


 そう声かけてくたのは事務員のラルフさんだ。確か《探索》に出る前にも挨拶したな。


「無事戻りましたぁ! ラルフさんも変わらず!」


 ラルフさんは手を振っている。


「デートかーい?」


「あはは。違いますよー! これからご飯なんです! 行ってきます」


「行ってらっしゃーい」


 変わらないやり取りに思わず嬉しくなる。


 いつもの学院だ。


 外に出たくなる時ももちろんあるが、帰ってくると逆にここのありがたみをとても感じる。


「あ、カトレアごめんね。さっきのはおじさんの冗談だから。気にしないでね」


「うん。分かってる。面白いおじさんだね。ねぇ、リンリンそれよりワイワイとグレちゃんのことどうしよう」


「そそ! って、ちょっ、まだ信じてたの⁈ さっきのくだりはウソなのよ?」


「うん、教えてくれてありがとう。私はきっとジャマに……」


「えーちょ、人の話聞いて! あの2人は付き合ってませんから! それにそんなことあの2人の耳に入ったら、俺がワイズにコロサレマス‼︎」


「えっ、リンリン、ワイズのことが? 三角関係⁈ ごめんね。気づかなくて」


「ちがーう‼︎ 俺が好きなのは! て、ちがーう! そういう話じゃないの! ホントごめんなさい。こんな話をした俺がすべて悪いです。だからもう忘れてください」


「リンリン、自分を責めないでね」


(なにを⁈ なんか会話のキャッチボールが成立してない気がするんですけど⁈ な、なんとか誤解だけでも解かないと!)


 俺は何度も彼女に丁寧に説明した。


 そうこうしているうちにパン屋の前に来ていたが、食事をしてる間にもずっと説明し最終的にはなんとか分かってくたものの……彼女には仮定の話や冗談でもウソは言わないでおこうと猛省したのは言うまでもなかった。

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