【暗闇の中で】
(寒い。やっぱりロットの夜は冷えるなぁ……)
俺は手紙の言伝通り、村の外へ来ていた。
周りに人の気配はないがそろそろ0時になるはずだ。
まだかなと思いながら、村の塀ところに寄りかかり街灯の明かりの下でぼ〜っと待っていた。
「リン……」
名前を呼ばれる。
「リン、こっちだ……」
(えっ)
自分の名を呼ぶ声は女性ではなかった。
ワナ?かと俺は声がする方の暗闇一点を警戒する。
対象はコツコツとどんどん近づいて来ていた。
そして街灯が灯す明かりの範囲に顔が入る……
……
………
…………ユナ……
俺は思わず声が出る。
会いたくて会いたくて、いつか会えると待ち望んでいた人物がそこに立っていた。
ユナだ。
ユナ・ユンバース……Y.Y。
「やっぱり生きてた……」
俺は声に詰まる。
「リン、あまり時間がない。すぐそこまで国の調査員が来ている。用件だけ言う」
俺は思いがけない人物が目の前に表れ急な展開に驚き声が出ない。
「森を調査中のレミナから学生がいたと、聞いた風貌からリンとカヲルだと確信した。仲間の体調不良によりグリル村に滞在していると踏んでレミナに手紙を届けさせた」
「あっ……」
「急なことですまない。リン、あまり知りすぎると目をつけられる。国の動きに気をつけろ。特に僕の叔父に」
「えっ、叔父さん?」
「グレイダー将軍だ。リン、戦争はまだ終わってなんかないぞ。いや、そもそも戦争なんてなかった。国はとんでもないペテンだった」
「ユナ、どういうこと」
ユナの言葉がちゃんと頭に入ってこない。理解できないことばかりで混乱している。
「これ以上はもう時間がない。とりあえず、僕が言ったことは絶対誰にも言っちゃいけない。危険だ。学院も国とつながっている。ホントはリンを連れて行きたいが、まだ準備が終わってないんだ。だからまだ学院でいつものように過ごして待っていてくれ。目をつけられたら処分される。レミナは僕が助けたが……」
「まっ、待って全然分からない」
俺は行こうとするユナの腕を掴む。せっかく会えたのにと俺は訴えた。
「ごめん、リン。今は捕まるわけにはいかないんだ。これを、これだけは腕につけといてくれ。それはリンの居場所をこちらが分かる石だ。昔の文明の道具だ。たしかじーぴーえす……って書いてあった。もしリンに何かあったら、場所を特定してすぐに分かる。助けに行く。今は少しだけ待っててほしい」
「それが前に言ってた因縁ってやつなの?」
「そうだ。リン、レミナの苗字もグレイダーって言うんだ。リンもグレイダーだよな? レミナはリンと同じ顔をしている。若い頃の叔父にそっくりなんだよ。今はこれだけしか言えない。ホントごめん。その時が来たらすべて分かるから……」
ユナはそう言って暗闇の中に消えて行った。
(じーぴーえす……?)
また会えるのだろうか。
まだ夢みたいだが確かにユナはここにいたのだ。
(ユナは何かを始めるんだろうか……)
俺は誰もいなくなった暗闇を一度見つめ、仲間のいる宿屋へと戻っていった。
いきなり妹絵登場
入れる場所がなくてこんな所に…m(_ _)m




