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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第3章 ロットにて
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【出会い】


「ん……ここは……どこ? 私は一体? 確か森の中で人影を追いかけて……」


 森の中で倒れたまま気を失っていたようだ。ゆっくりと上半身を起こしてみたが、極度の疲労と脱力感で立ち上がれない。

 移動の際や倒れた時にぶつけたのか痣や傷があちこちにできていた。


 どのくらい気を失っていたのだろう。


 あたりはすでにうす暗くて視界が悪く、帰り道すら分からない。


 完全に失態だっだ。


 運良くモンスターや獣に襲われなかったのか。


 しかしみんなは自分を探しているだろう。


 国や学院に連絡が行けばきっと処分は免れないが、今の状態は無事に帰れるかどうかの保証すらない。





「あ、おきた」




 突然ガサッと音とともに人の声が聞こえ、飛び起きた。

 が、ふらつき倒れる。


 マズイマズイ……と焦りながら音がした方へ恐る恐る視線を向けた。


 そこには見慣れた顔が……あった。


「えっウ、ウソ。リ、リン君⁈ え、さ、探しに来てくれたの?」


 アプは安堵で涙目になりながら、ふらつく体で起き上がろうとするが力が出ない。


 しかし目の前の人物はリンと呼ばれてもなぜか反応しない。 そして不思議そうに首をかしげた。


「リ……ン? じゃないよワタシは」


 そう言った相手はリンと全く同じ顔をしている。


 しかしよく見るとリンよりもずっと華奢で髪は長く、幼い女の子の体をしていた。



 リ、リン君じゃない。



「だ、誰⁈」


「レミナ」


 リンにそっくりな女の子は無表情でそう答えた。


「レミナ?」


「わたしレミナだ。あなた誰? 昼から付いてきてた。でも途中でたおれた見たから待ってた。ずっと待ってた。」


「あ、あなたロットの生き残りよね。私と来てちょうだい。私はアプ、あなたを助けたいの」


 自分の体のことも忘れ救助をしなくてはと任務を思い出す。


「アプ? ロット? 助ける? いらない。待ってる。待ってる」


 彼女はそう言って首を横に振った。


「待ってる? ロットの土地に住んでるストゥートの人? どうしてここに?」


 アパレルはとりあえず質問する。


「ここは頼まれて来た。もう帰る。アプ、友達さっき向こう。アプ呼んでた。アプって」


「えっ! 私の名前を呼んでる人がいるの? 仲間かも……」


 指された先へ目線を向けると、微かに自分の名を呼んでる声がすることに気づく。


「50メートル先あたり。もう来る。わたしはもう行く。ゆなが怒る」


 そう言うとレミナと名乗った少女は瞬く間に森の奥へと消えていった。


「えっ、50メートルってなんで分かるの⁈ ちょっ、まっ……ウソ……早い」


(ゆな?)


 ガザガザと草の根を分け、誰かが自分の名を呼び向かってくる音がする。


 助かった。


 そう思った最中、目の前に先ほどの少女と瓜二つの顔が現れた。


「アプ‼︎ あ…アプだ! カヲル、いたよ! あっ、アプ大丈夫⁈ すぐに助けるから」


 リンは急いでアプのそばにかけ寄り心配そうに見つめた。


「リ、リン君ご、ごめんね……ごめんね。助けに来てくれて……うぅ」


 アプは安堵と同時に後悔や色んな感情が押し寄せどんどん涙がこぼれる。


 遅れてカヲルもやってきた。


「アプ‼︎ 大丈夫か⁈ とりあえずグレースに連絡……あぁ本当に良かった。心配したんだ」


「カヲル君、ホントごめ……」


 アプは顔を手で覆い泣いていて声にならない。


 衰弱はしているが一先ず大丈夫そうだ。

 カヲルはすぐさまグレースに連絡して報告し、俺はアプを抱き起こし背負った。


『見つかったか! 良かった。とりあえず今のままでは3人とも危険だ。早急に森へ出て近くの村まで移動してくれ。確かメートリーから北東に30分くらいバイクで行った先に小さな村がある。グリル村だったかな。俺たちもそこへ向かう。夜には合流できるはずだ』


「了解。森を脱出し、そこへ向かう。また後で」


 そう言うとカヲルは通信を切った。


「聞いた通り。で、もう3時過ぎてる。急いで森を出よう」


 俺たちはそのまま来た道を戻り森を後にした。



挿絵(By みてみん)

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