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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
かの島では
193/219

【うわぁ、いっぱい】

 シーモアの近くの墓場島。

 その森の中にひっそりと佇む廃墟ともいえる建物の中をレミナはどんどんと入っていった。

 俺は嫌な感じをしながら、彼女の後をついて行くしかできなかったが……



「ねぇレミナ、俺たちさぁ……」


「ん? なんだ?」


 建物に入ってから、どのくらい時間が経ったのであろうか? 俺は一仕事終え、ふぅとため息をつくレミナに後ろから話しかけた。


「ここに来てからかなりの量のモンスターたち倒したよね。これで俺もレベル上がったかな?」


 俺は床にひっくり返っている、お亡くなりになったモンスターたちを尻目に機嫌よく答えた。


「たぶん? 私はカンストしているのでこれ以上上がりそうにないが……」


 レミナもこちらを振り向きニヤニヤしている。


「レミナ99だからなぁ……羨ましい」


 俺はこの話の設定を完全に無視して、ステータスみたいなものを調べられる機械を持っていることにした。そして博士にもらった……という言葉を付け加えてみる。


「なんだそりゃあ? 全くどんだけふざけているんだか、まぁいい。どれ、リン:レベル13? ふふ、まだまだだな!」


 レミナは誰かを諭しつつも俺の持っている博士の機械を好奇心に満ちた目をしながら覗き込んでいた。


 博士からもらったステータスを測る機械、どんな見た目がいいだろう。

 とりあえず無難なス◯ホやiP◯neみたいな感じとでも言っておくとしよう。


「レミナほど倒せてないし……というか、レミナ瞬殺し過ぎ! もう足の踏み場がないじゃない。歩きにくいよ」


「そうだな。調子に乗りすぎた」


 墓場島の森の中に建つ妙に白くて変な建物、広ーいエントランスの中に入った瞬間、異形な形のモンスターたちが間髪入れずに襲ってきた。

 森にいるのとはまた違う……どちらかというと人のような……でもロットの人たちのモンスター化とは明らかに違う……何体ものモンスターが合体したような気持ち悪いタイプのヤツだった。


 そんな様子にもレミナはけけけと笑いながら、近づいてくる化物を次々とムチでバラバラにしていた。俺は援護射撃を……というよりも、レミナに当たらないようにするので精一杯。それでも20体ほどは倒せたと思うが……


「1000体は倒した?」


「どうだろうな」


「数えてみよう…1…2…3…」


 おもむろにモンスターのご遺体を数え出した俺を、レミナは不思議そうな目で見ている。


「…252…253…254…」


 俺は必死に数えた。


「ん? あそこにもモンスター固まってるな……よいっしょっと」


 レミナは飽きたのか、ガタガタと音を立てている部屋の扉を開ける。

 すると化物が飛び出して来たので、後ろに超加速で後退した後、間合いを取りながらモンスターたちを片した。


「1526…1527…15ってもう! レミナ! どんどん増やさないでよ! 分からなくなったよ!」


 数えていた視界に新しくご遺体さんが追加され、俺は途中から数を見失ってしまう。


「数える意味が分からん」


「数字に出した方が分かりやすいかなと。まぁざっと2000体くらいだね」


「分かりやすい? 誰に?」


「……こちらの話」


 呆れた顔でたたずんでいるレミナに俺は苦笑いして答えた。


「ん? 向こうのデカイ扉の方からもガサガサ音がするなぁ……行ってみるか。しかし歩きにくい」


「ゲームみたいに没モンスターさんは消えてくれると助かるんだけどねぇ……この世界は変な所でリアルだよね」


 レミナの言葉に俺はそう言って、先を行く彼女の後ろを追いかけ、次いで奥の部屋へと進んだ。



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