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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
レミナと合流だ!
180/219

【ロットの港街モハンティア】

 モハンティアの街までやってきた。

 ここは復帰してきたロットの街の一つだ。

 

 去年、ユナとアプはカヲルのモンスター化を止める薬の開発に成功した。


 しかし、この時の薬はストゥート人だけでなく、ロット人にも効果があるのかはまだ未定であった。

 

 グレースがピストシアの港で見つけた『S・Fortifier』という薬は、地下都市で薬を管理させられていたセシリア曰く、ストゥート人を対象にしたモンスター化薬なのだという。


 しかしユナとアプの開発薬はロット人への効果も期待できると、バモール研究所でカヲルの父とセシリアが多少の改良を重ね量産した。


 そしてマラカナ率いる軍が薬をもってしてロット人の救出を行ったのだという。


 この薬は初め、特効薬、解毒薬など研究者によって呼ばれ方が様々であったが、最終的には国が『万能薬』と名付け決定していた。


 『万能薬』の効果で徐々に救出されていたロット人には、この10年間の記憶はなかった。強化薬によってモンスター化していると肉体の経年劣化もみられておらず、つまり『年を取っていない』ということが判ったという。


 まぁその辺はレミナやとーまを見れば分かるかもしれないが、彼らの肉体は年齢に比べ小さい体のまま、老いは明らかに止まっている。


 とーまの体で培養していた薬を投与され続けていたレミナの体は本当に小さい。7〜8歳の子供に見えるのだが、強さは人間とは桁違い……この辺はさすが兵器という所である。


 遺伝子操作されている俺たちの体は、反応速度と体の回復力、そして体力が著しく高い。

 過去の強化薬の投与で、レミナはモンスター化→自然回復という変化が今でも体の中で起き続けているのではないか? とユナは突拍子もない発言をしていた。


 俺はそんなバカな……と思ったが、じゃあ試しに俺の体に強化薬を投与してみよう! という大迷惑な話になってしまい、とりあえずその場を逃げた。


 ユナは後で「冗談に決まってるじゃないか〜」と笑っていたが、あれは目が本気だったため信じていない。


 マラカナは、薬の効果がなくともある程度の年齢で止まるように遺伝子上設定されていると、ソルトウェルトからすでに確認を取っていた。おそらく15〜6歳の見た目で止まるはずだと、その辺は未確認らしいが俺は周りの同級生と自分を比べて実感している。


 何年か前には伸びていた背も、少年のままの華奢な体もまるで変わっていないのだ。これはもう仕方ないものだと諦めている。


(気にしてもしょうがないし、それにもっと小さいとーまとレミナだけど、彼らはいつも幸せそうだ。要は気の持ちようなんだわ)



『あ! いた! いたです! ピピッ!』


 俺はモハンティアの街を歩きながら、横をふわふわと浮遊移動しているピピツーの声で我に帰る。


「お! 待っていたぞ。久しぶりだな! リンと03002号!」


 商店街の途中、買い食いをしながら歩いていたレミナはこちらに気づき、大きな声でそう言って手を振りながら近づいてきた。


「やっほーレミナ! あ、03002号はピピツーって名前付けた」


 俺は楽しそうにモハンティアの名物料理を満喫しているレミナに若干の安堵を感じながら…手を振り返して告げた。


『よろしくです! ピピッ!』


「ピピツーか! 中々良い名前ではないか!」


 レミナの言葉にピピツーは気分を良くしたのか目を(^^)にしてレミナの周りをくるくると回っていた。


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