【これからの未来に】
俺が色々と彼らと話をした後、各々それぞれ動き出した。
とりあえずグレースはコロア教授に連絡をしていた。
彼女は「さすが、リンらしい平和な結末だな! だが人間の問題はまだまだ山積みだ! これからが面白……いや忙しくなるぞ! ははは」と笑っていたそうだ。
さすがコロア教授である。
ユナはマラカナに連絡をしに出ていった。
そういえば、今は博士の傍受妨害装置をつけているのだという。それで、ラヴァが確認できなかったわけだ。俺は妙に納得したよ。
リリフとカトレア、ワイズは人数が増えたので大変だと買い出しに出かけた。これから人数分の昼飯を作ってくれるのだと言う。女子の手料理は本当にありがたいことだ。
アプの家族のことは、言わずもがな。まだまだ積もる話もあるのだろう。研究室の方で3人、ずっと語り合っている。
色々と俺のために手伝ってくれたタケルは、先ほど漁村に帰って行った。
そして明日の朝、また島に来ると言う。
彼の行動力には本当感謝だ。
レミナは外のバルコニーで03002号と一緒にとーまと遊びだした。あの2人が本気で遊ぶと家が壊れそうで怖いから程々に……と言いたいが、03002号も壊れないか少し心配である。
カヲルは今、俺の横にいる。
「リンさ、俺が星見るの好きって知ってた?」
「え、何それ……初めて聞いたよ」
俺は幼なじみの告白に驚いた。
「やっぱりね。気づいてなかったか。学院に戻ったらさ、夜また見に行くと思うんだけど、今度リリフと一緒に行かないか?」
「いいね。でも、門限が……」
カヲルはニヤッと笑う。
「これはさ、さっきグレースに聞いたんだけど、次の管理官、コロア教授に決定したようなんだ。だからたぶん、門限とか無くなるぜ? しかも外にもきっと自由に出れるようになるよ。ロットの人達が戻ればモンスターもいなくなるわけだし……」
彼の言葉から嬉しいニュースが出てきた。
コロア教授が管理官になるとは…来年とはいえスゴイことだ。
きっと『ストゥーベル学院』は目まぐるしく変わっていくことだろう。
これは俺もすごく期待に満ちた目で興奮していた。
「いいね! それスゴイ楽しそう! あ、でもそうなると《探索》チームは無くなりそうだけど」
自由に外出できるなら、そんなものはいらないのだ。ロットの人たちがモンスター化から解放されれば、元々モンスターがいなかったこの国と隣の国にはそういった脅威がなくなる。
生徒たちの外出もしやすくなるだろう。
「いいんじゃね? みんなが自由に出れるわけだから。まぁ《冒険》チームとかに変更しておけば良い良い」
カヲルは嬉しそうにヘラヘラと笑った。
「おーそれでイイネ! うん、これからが本当に楽しそうだ。みんなの力で変わっていこう。そのために学院に無事戻らなきゃな!」
俺とカヲルはこれからの未来に期待していっぱい語ったのだ。