表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第20章 帰宅
163/219

【仲間との語らい】

「そんなことが……でも、兄貴が無事に帰ってきて良かった」


 リリフは赤い目を擦りながら、俺にお疲れ様……と言った。


「本当よ。心配したんだから」


 そう言ったワイズも目が赤い。

 口はキツいけど意外と情に厚いんだよね、彼女は。


 みんなと感動の再会を果たした後、俺は今まで自分に起きたことを彼らに伝えていた。

 ユナの家のリビングが人でいっぱいである。


 もちろん、今は別の部屋で家族と過ごしているアプとキーン夫妻の3人は除いてだが。


「しかし地下都市でそんなことが……まさかリンが自分から戻ってくるとは思わなかったから、僕は色々と準備をしちゃったよ。マラカナに連絡しなきゃ……」


「ユナは結構頑張ってたな! 出不精のユナにしてはよく動いていた!」


 ユナの言葉にレミナはそう言って、はははと笑った。2人も相変わらず元気そうだ。

 ついでにタケルさんも一緒にはははと笑っていた。


(そこ、一緒に笑うところがいつもよく分かんない……まぁいいか)


 ユナは俺がいない1週間、すごく頑張ってくれていたようだ。俺はお礼を言った。


「まぁ、でもそのおかげで、彼らはこの星から出て行く選択をして、俺とアプの両親を返してくれたわけで。ついでに監視役が付いてきたけど……」


 俺は苦笑いして答えた。

 10年前の事件を起こした黒幕はこの星から去り、結果的に人類の本当の意味での脅威は人類だったという話。


 彼らはそれこそ、少し偏った見方をしていたけれど、必死に星を守ろうとしていた。そして機械らしい不器用さも持っていた。簡単に人を殺してしまうところとかね。


『監視役とは⁈ ピピッ! お守り役だと言ってください! ピピッ!』


 今まで隠れて黙っていた03002号が飛び出して喋り出した。


「これは、ナニ⁈ 連れてきちゃったの? 博士の餌食じゃん。絶対」


 ユナはビックリしてそう言った。


「あ、やべ」


 俺は確かに……と頷く。



『ピピッ! それは身の危険を感じます! ピピッ!』


「か、可愛い!」


 カトレアはたまらず抱きつく。


『ピピッ! これは! 幸せであります! ピピッ!』


 カトレアの腕の中で03002号は嬉しそうに機械らしくないことを言っている。


「ぬぅ〜羨マシイノダ! カトレア、後で俺モ!」


 そう言った彼は頭の被り物をいきなり取り、カトレアにすがっている。


「それは結構です」


 そして彼女はキッパリ断った。

 意外ととーまに強い。


「あ〜、そうだね、とーまは相変わらず……って誰⁈」


「あ、言うの忘れてたね。彼も解毒薬で戻ったんだよ。見た目だけだけどね。一応兵器の彼にも有効だった」


 ユナは答えた。


「さすがにびっくりしたよな? でも、ユナの薬でとーまが戻って良かったよ。うん。でもなぜか、猫の着ぐるみはやめてないんだよな……とーまナゼ?」


 グレースは苦笑いしてそう言って、とーまに聞いた。


「ソレはな、グレース! カトレアからの大事なプレゼントだからダヨォ! コレは暑くてもやめられネーコスプレだゼィ!」


「はぁ、聞かなきゃ良かった」


「ははははは!」


 ため息をついたグレースととーまとのやり取りに俺は嬉しくなって笑ってしまったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ