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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第20章 帰宅
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【ただいま】

『では、私たちは数分後にこの星を脱出しますので、ご健闘を! good luck!』


 テレポートで送ってくれた機械は消えていった。


「ここは……」


 とーまの墓がある。

 けど、もう名前は削られていた。

 削ったのはユナだろうか。


 それはそうか……彼は生きていたのだから。


「ピストシア帝国の霧に守られた島……の頂上ですね」


 俺は呟いた。

 ここには一度来たことがある。

 一人で島の頂上に来て、ついつい夕方まで居眠りしてしまった場所だ。ユナが心配になって起こしに来たあの時がすごく懐かしい。


「なぜこんな所に……」


 ドナルドとセシリアは不思議そうにしている。


「それはきっと、ここに俺とお2人の大事な人がいるからだと思います」


 俺はにこやかに答えた。

 そして彼らはハっとする。


「アーちゃんがここにいるのね⁈」


 セシリアは驚いた顔で尋ねた。


「いますよ! こっちです!」


 俺は手招きし、ユナの家まで3人で早足で向かう。


「アーちゃん……」


 2人の眼差しはとても期待に満ちていた。

 10年ぶりに娘に会えるのだ。


 これは俺もとても嬉しい。

 早く会わせてあげたい。

 3人の喜ぶ顔が見たい。


 そんな気持ちだった。


『ピピッ! みなさん、どこへ行くのですか? ピピッ!』


 03002号もふわふわと浮遊しながら慌てて付いてくる。



 そして俺たちは20分ほどで島の一軒家までやってきた。


 不思議なことに……ここには、今日全員が揃っていたのだ。


 ユナ、アプ、リリフに加えワイズとカトレア。俺を探すためにあちこち世界に出ていたレミナ、グレース、タケルも、とーまをここへ避難させるために、この家に戻ってきた所であったという。

 そして昨日腕が戻ったというカヲル。


 俺はみんなと感動の再会を果たした。


 アパレルはそれこそ10年ぶりに両親と会うことができて、喜んでいた。俺は彼女が泣いたところを初めて見たが、自分までもらい泣きしそうになったぐらい切なく……そして嬉しかった。


「リン、色々とごめんな」


 俺の幼なじみのカヲル。


「カヲル、なんで謝るの? それよりも体が無事戻って良かった! お前は俺の大事な幼なじみで、親友だろ!」


 俺はカヲルと片手でハイタッチした。

 リリフとも無事仲直りできたという。


 『学院』に戻ったら、きっとまた2人で仲良く過ごすだろう。


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