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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第19章 ラヴァ
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【やっと会えた】

「あれ、ドナルドさん」


 俺はメインタワーの外に出て、男性寮まで戻ってきた。

 寮の入口にはアプの父であるドナルドが待っていた。


「あ、リン君……聞いたかい? 僕たちを急に明日解放すると……」


「ええ、聞きましたよ。今メインタワー行ってきました」


 俺はにこやかに答える。


「何があったのか知らないけど、君がラヴァに何かしたの?」


 ドナルドは信じられないという顔で尋ねる。

 俺は首を振った。


「いや、非常事態みたいです。詳しくは聞かなかったので」


 俺は詳細は話さないことに決めた。

 ラヴァとの会話はここでは言わない方がいいだろう。


「そうなんだ……」


 ドナルドはぼそっと呟いた。


「あ……」


 俺は横からこちらに向かって歩いてくる女性に気がついた。

 とても綺麗な中年の女性だ。



「セ、セシリア……」


 女性に気づいたドナルドは、慌てて走り出す。


「ドナルド、やっと会えました。探しました」


 セシリア……アプの母である女性は、彼のそばによるなりそう言った。


「まさか君までここにいるとは……」


 ドナルドはとても驚いている。

 俺は黙って2人を見守っていた。


「私からここに連れてきて欲しいと頼んだんですよ。いつかあなたに会えると思って」


「そうか、そうか……」


 ドナルドはセシリアの前で涙ぐみ、慌てて顔を袖で擦っている。


「あ、俺はちょっと用事があるので……失礼します。お2人ともまた後で……」


 俺はそれだけ告げて、彼らの返事も待たずにすぐに男性寮に戻った。


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