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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第2章 探索開始!
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【バイクの点検しよう】


「グレース、お前はいくつ点検したい?」


 カヲルは目の前にずらりと並んだモーターバイクを眺めながら、隣で伝表を確認しているグレースにそう聞いた。


 ここは第二管理所の最上階にある屋内の駐輪場で200台ほどのモーターバイクが丁寧に保管されている。


「ゼロだな。俺はこれからバイクの燃料を取りに地下倉庫まで行くから、悪いけど全部やっておいてほしい。手に余るようだったら、ロビーで暇してるリンを呼んでくれるかな?」


 グレースはそう言うと、バイクのキーと工具をカヲルに手渡した。


「ああ、いいよ。やっとく。わざわざリンを呼ぶほどのことじゃない。それより燃料の方1人で大丈夫なのか?かなり重いだろ?」


 単純にバイクの燃料といってもかなりの量がある。約3日分の燃料を7人分。


 探索中は一日中フル回転で移動するから予備も積められるだけ積まなくてはならない。


「まぁ、なんとかなるだろう。燃料庫はちょっと距離があるからね。少し時間がかかるよ」


 グレースがカヲルに渡した図面にはバイクの設計や組立過程で使われた部品の明細などが詳しく記されていた。


「そういやメシって何時だっけ? 今からだと1〜2時間くらいで片づくかな」


 カヲルは渡された図面を見て、前回と比べ特に変わってないことを確認した。


 これならスムーズにできるだろう。


「夕食は8時だよ。ホントはみんなにも手伝って貰うつもりだったんだけど。今女子たちの足は悲鳴をあげてるからね。明日に響いたら困るし今のうちに休ませとかないとな」


「ちと今回はきつかったもんな。男の足でもなんか疲れたーって感じだった。今度チームの集会で示談してほしいな。着く前にバテちゃうから」


 カヲルはそう言って1台目の点検に取りかかる。


「そうだな。今度リーダー集会で提案してみるよ。じゃよろしく」


 グレースはエレベーターで下に降りて行った。


 カヲルは黙々と点検を始める。

 多少痛んでいる部分もあるが、走行にはさほど問題はなさそうだ。



(おっ、この調子なら結構早く済みそうだな。ボディは最高級品だし、戦前のものは本当に良いものを使ってる)


 これから3日間はそれぞれ少ない人数で長い距離を移動しなくてはならない。いつもより丁寧に取りかかった。

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