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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第19章 ラヴァ
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【ホント失礼だな!】

『中に入りますか?』


 この街で1番高いタワーであるこの場所にもやはりロボットがいた。


 寮にいたとのはまた違う……丸いけど白くて少し縦に長い…なんというかすごく賢そうな奴だ。


「あ〜うん、俺は入れる? ラヴァに会える?」


 俺は声をかけてきたロボットに尋ねた。


『はい、許可……今、おりました。ラヴァ会えます。どうぞ』


 自動で開いた扉の先にはさらに扉が見えている。どうやら何重にも続いている構造のようだ。俺は進むたびに開く自動ドアの前でふと足を止めた。


「ここは……」


『メインタワーでございます。基本的には防護服を着ない人間は近寄れません』


「あ、そんなのあるのね」


 前を誘導していた白い縦長ロボットは、こちらに振り向き待っている。


『着ますか?』


「着た方がいいの?」


 防護服あるなら……と思ったが、今さら遅いだろうか……


『リン・グレイダー、少し止まってください。スキャン中……ピピピッ……』


「えっ、なに? スキャンって」


 ロボットは急に目が光り出して、俺にライトを当てる。たまに顔の方に向けられ、目眩しにあったようにとても眩しい。


『体の構造を遺伝子レベルでデータに写し取っています』


「えっ、ちょ、なんかそれ恥ずかしい! 全部色々と分かっちゃうじゃん⁈ うわ、それ、ここの人たちに見せないでね? ね? ね?」


『何を言っているか分かりませんが、人間には見せない……了解です』


 ロボットはスキャンが終わったのか、ピピピ……と今度は目のライトが色々な色に点滅している。


「はぁ、調子狂うなぁ……ここは」


『申し訳ありません。故障ですか? 医療ラボに案内しますか? それとも転送しますか?』


「いやいやいや! 違う違う。元気だし……それは言葉の揶揄……って転送ってなに⁈」



 俺は正直ついて行けていない。何もかもが新し過ぎて、非常に困惑しているのだ。


 そして少しでも言葉を間違えようなら、この機械たちはだいぶ離れたを曲解をして追及してくる。


(まぁレミナといた時もそんな感じだったけどさ)


『テレポートのことです。離れた場所から空間を繋いで離れた場所に瞬間移動することを言います』


「そ、そんなこともできるの⁈ ここ……」


 瞬間移動……そんな言葉を俺は現実で生まれて初めて聞いた。ここはまさに本の世界そのものである。


『はい、テレポーターの場所でできます。この街にもそれで来たはずです』


「そ、そうなんだ。まぁいいや、体は大丈夫そうなのかな?」


『問題ないようです。すでに人間の遺伝子ではないので影響受けていません。モンスターに近い値ですね。それとその腰の……その武器の方があなたにかなりの影響を与えています』


 ロボットはピピピ……と音を鳴らして音声信号を言葉にして唱える。


「あぁ、それは分かってるから大丈夫……ってモンスターに近いって何⁈ もう、ホントここのロボットは失礼だな‼︎」


『事実ですので……』


 表情の変化がない機械は相手の気持ちを考える思考もないのだろうか、えーあいとこのロボットたちの違いはなんだろうと俺は思ったが、ここで考えても仕方ない。


「もう、問題ないんなら中に入るよ」


 俺は少し怒り気味にタワーの扉をぐいぐいと進んだ。


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