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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第18章 旧巨大地下都市
153/219

【よく分かんないなぁ】

 この旧巨大地下都市の名前はとくにないらしい。ドナルドと一時別れた俺は、目的の場所である人間の女性寮までやってきた。


 思ったより簡単に男性寮の外に出れたのだ。


『リン・グレイダー、お出かけですか?』


 建物の入口に向かう俺に、そばにいた丸いロボットが話しかけてきた。


「そそ。出て良い?」


『どちらにお出かけですか?』


「女性寮」


『お気をつけて』


 そう言われただけだった。


(別にいいのか? それとも俺が子供だから? うーん、思ってたよりずっとガードが緩いな)


 女性寮の入り口から中に入った。


『ようこそ。リン・グレイダー、ここは女性寮です。誰かお探しですか?』


 いきなり先ほどとほぼ同じ見た目のロボットが話しかけてきた。違いといえば…向こうの入口にいたのは青っぽくてこっちは黄色っぽいくらい。


「セシリアって人います?」


 俺は黄色っぽいロボに尋ねた。


『セシリア? フルネームをお願いします』


「セシリア・キーン」


 ピピピ……とロボットは何かを検索している。


『リン・グレイダー、彼女はここにはおりません。ここにはおりません』


 ロボットは数秒してそう答えた。


「えっ、そうなの? じゃああの攻撃型の機械はウソついた?」


『機械はウソつけません』


 ロボットはそう言ってピピッとまた音を鳴らした。


「この街にはいるの?」


『おります』


 俺はぐいぐい尋ねる。


「じゃあどこにいるのさ?」


『これは言えません。言えません』


 ロボットはふるふると体を揺らして、アピールをしている。これは拒否の反応だろうか?


「えーなんでよ!」


 俺はしつこく訴えた。


『規約です。規約です』


「えーー何それ! どういうことだ……じゃあ言わなくて良いからせめて案内してよ!」


『かしこまりました』


「えっ⁈ いいの?」


 ダメ元で無理を言ってみたが、そこはアッサリ要求が通ったらしい。


『こちらです。どうぞ』


 黄色っぽい球体のロボはピピピ…と音を鳴らして、床が透けているような…ぼやけたガラスのような材質の道を真っ直ぐ進んでいく。


「うーん、機械ってホントよく分かんないなぁ」


 俺は誘導するロボの後ろを少し早足で追いかけた。


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