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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第2章 探索開始!
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【女子ってたまに怖い】


「506、507号室と603号室そして208号室があなた達Bグループに与えられた部屋です。603号室は3人部屋になっておりますので男性の方々がお使いください。506、7号室は女性の方々が、208号室は会議室になっておりますのでグループでの打ち合わせなど自由にお使いください。それぞれのキーはこちらになります」


「はい。わかりました」


 グレースはそう言って、差し出された部屋の鍵を受け取った。


 ここは第二管理所だ。


 順調にここまで到着した俺たちは、管理所のホテルのフロントまで来ていた。


 ここは、第一管理所と同じくらいの広さの施設で橋のロット側の先端部に位置している。


 ロットはもう目と鼻の先にある。

 ストゥートより気温が平均で10度ほど低い。だから室内とはいえ少し肌寒く感じられた。



「ああ、もう疲れた! どうして途中乗り物が1個もないのー?」


 アプの訴えがロビー全体にくまなく響いた。


「同感ね。ここからは各自1つずつモーターバイクが配備されるはずよ。何時間も歩かされるとか……ちょっと勘弁してほしいわね」


 ワイズも疲弊した声を出した。


 彼女の言うモーターバイクとは、小型発動機をつけた自転車型オートバイ、つまり原動機付き自転車のことだ。

 比較的移動しやすく小柄に造ってあるため乗られる人数は1台につき常時1名か2名と少ない。


 だが小型な分どんな稼働にもおおよそ耐えられるという特性があった。


 チェックインが完了したあとグレースとカヲルは全員分のバイクの点検に行ってしまった。


 女子4人と俺は一先ずロビーのところで休んでいた。


「せめて橋の上くらいはバイクに乗らせてほしいわ。《探索》チームの人たちって毎回あんな苦労してるの?」


 アプは天井に向かって呟いた。


 なんとなく女子一同の空気が不穏だ。ここは逆らわずに大人しく黙っていた方が賢明だろう。


「うーん。去年までは橋でも乗れたのよ。ただね第一管理所にはあまり置き場がないみたいなの。今は緊急用のが数台しか置いていないらしいから」


 ワイズの言葉にそういえば去年はそうだったなと改めて記憶の確認をした。だから、去年はもっとここでゆっくりできていた気がする。


「別に外にほっぽっとけばいいのに」


 と、リリフ。


 この中で話に加わっていないカトレアもさすがにくたびれたのか、先程からテーブルに突っ伏したままだ。


(皆さん人格変わっちゃってますよ)


 このままでは、後々いつ八つ当たりの対象にされるか分からない。


 ここはひとまず逃げようと彼女らが討論しているうちに席から立ちこっそりとロビーを後にした。

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