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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第17章 リン…そして僕の物語は進む
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【かつての過去に】

 まず、リンがいなくなる数時間前とこの1週間のことを説明しよう。


 僕がリンの仲間の1人、カトレアという凄い綺麗な女子から連絡が来てから、数時間後にレミナとタケルと一緒に彼らが来た。


 グレース、ワイズ、カトレア、そしてカヲル。


 カヲル以外は初対面だった。


 カヲルの左腕は半分以上が緑色に膨れ上がり、どす黒く、明らかにモンスター化していた。


 僕は急いでベッドに寝かせてもらい、できたての試験薬を打った。


 打った直後は変化がなかったが、薬の効果は数時間後に確認できた。

 彼の腕の侵食が止まっていたのだ。


 治ってはいなかったが、これは効果があると期待できた。すくなくとも、彼がモンスター化して襲ってくる心配はなくなっただろうと判断。引き続き、薬の開発と予後の観察は必要だがある程度効果があったことに僕は安心できた。


 そしてこのすぐ後にリンからの電話…だが彼にこのことを報告もできずに連絡不可になってしまう。


 このことを伝えると、レミナとタケル、そしてグレースは船で急いでラマダンに向かった。


 その前にグレース……彼は『学院』の教授に連絡を取っていた。

 《探索》チームの顧問教授…コロア教授は事態を把握し、マラカナ・リヴァルに連絡したという。


 マラカナはリンの不明、そして薬の効果を了解し、軍でリンを探すと言っていた。


 もちろん僕とレミナのことはバレたが、教授曰く『前から知っていた。リンがいなくなったこと、ジョン・ヴァーシベルの息子が被害者になったこと以外は予定通り』だと言われたそうだ。


 黒幕の正体が思ったより早く分かったことにリンの行動を評価していたそうだ。

 相変わらずマラカナと叔父は抜け目がない。


 アパレル君は急いでデータの解析を行い、なぜ侵食が止まったのか……なぜモンスター化した腕は戻らないのかなど追加の研究のために研究室へ篭る。


 リリフはみんなに食事を配り、ワイズ、カトレアという2人の女子と一緒に片付けやカヲルの世話をしてくれている。


 僕はやはり研究室に篭り、カヲルの様子を観つつ仮眠を取りつつ開発に勤しんだ。


 カヲルは次の日には目を覚ました。


 そして事の全てを把握し、了解した。


『あのマーシャって女性を見たことがあって、一緒にお茶したんだけどその時に薬をもられたかもしれない。俺は一度席を外してた時間がある。今思えば、親父のいるバモール研究所で会っていたかもしれない』


 とカヲルは言っていた。

 僕はそれで納得する。


 マーシャ……彼女にとってはバモール研究所のヴァーシベル主任の息子がいきなり声をかけてきたら、まず自分の追手だと思っただろう。


 研究所でカヲルを見かけたこともきっとあるはずだ。そして彼に薬を盛るという強行に出たのかもしれない。

 そこで強化薬を使うこと事態、少し浅はかな気がするがそんな人間だから処分されてしまったのだろう。


 そこにリンは出くわした。

 彼は目撃……もしくは目撃者から情報が入ったのか僕に連絡しようと通信をかけ、おそらく傍受された。


 洞窟の一件を考えれば、人工知能であるコンピューターに目をつけられていることは明らかだ。当然通信を切られ襲われただろう。

 彼は死なない体だから、きっと動かなくされ連れてかれた。


 10年前の事件……国中の人間をモンスターに変えるなど、明らかに人の手を超えた所業である。


 だが、コンピューター……知能を持った機械ならば話は別だ。きっとあっという間にやってのけただろう。


 なぜ僕はそこに気づかなかったのか……博士に相談すれば対策ができたかもしれないのに。

 そこは僕の完全なる落ち度だった。


 そしてこのことはマラカナとその後ろにいる叔父もさぞ驚いたことだろう。

 人工知能を過去に開発、製造した島にいる天才科学者……エップス博士ですら驚いていた。


 彼の作った古い研究所にあったマナは、軍によって最近破壊されていたらしいがきっとマナに繋がっていて監視されていたはずだ。


 エップス博士は驚くことを言っていた。


『ワシの人工知能は先人の記録から作り上げたものだ。その記録は先祖代々から受け継がれていた』


 彼はそう言って古い書物を見せてくれた。


 その文献の一部にかつてすごく発展した過去の時代に超巨大なAI施設がこの星のどこかの地底にあるという記録だった。



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