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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第17章 リン…そして僕の物語は進む
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【南国の街ラマダン】

 アルパカたくしーでピストシアの南にあるラマダンまでやってきた。

 俺はたくしー協会のオジサンに追加の料金を支払う。


「まいど! 今日は僕もこの街に滞在するつもりだから、また帰る時は声をかけてよ!」


「ありがとうございます!」


 オジサンにお礼を言って、俺はたくしーを降りた。



 ここは南国の街ラマダン。


 この街の気候はとても暖かい…南の国の豊かな観光名所ともなっている発展した街だ。


 北の港からアルパカたくしーで3時間ほどかけてやってきた。

 ピストシア帝国の最南端に位置するラマダンは白い浜辺と海が特徴で、南の癒しを求めて観光客が絶えない街だとたくしー協会のオジサンは教えてくれた。


 今は夜なので暗くてよく見えないが、ザザーと波の音は聞こえる。



 もうすでに夜の8時を回っているにもかかわらず…妙に人が賑やかだった。


(さて、まずはどこに行こう)


 俺は街の入口で周りを見回す。

 白い壁、屋根の色は明るく、色々な形の家々があちらこちらに連なる。

 よく見れば店も多く出ており、看板のネオンも賑やかだ。


 『カジノ!』と大きく書かれた光り輝く文字に目を奪われる。

 近くまで行き、ぼ〜っと見ていた俺は、『カジノ』の入口に立っている黒服の男性と目が合った。


「子供はゴメンね。いい子はもうお家に帰りなさい」


「はーい。スミマセン」


 どうやらここはフェルテルの情報屋やギルドと違って、明確な年齢制限があるらしい。

 俺は気まずそうな雰囲気を出しながら、道の奥へと進んだ。


 商店街を抜け、住宅街まで来ればきっと人も少ないだろうと思いきや、何やらザワザワと人が多い。


 どうしてこんな時間にこんなに人が多いのだろうと不思議だが、俺は気にせず住宅街を進んだ。


 白い壁に白い道、だんだんと小道の分岐が増えてきて一瞬迷路にでも入ったのではないかと錯覚を起こす。

 しかしそれでもすれ違う人は多く、みんな薄着。

 南国らしい格好で自然と夜の怖さはない。


(兵器である自分に怖いとか、笑っちゃうけどさ)


 俺は少し自虐的になりながら、人が集まっている所までやってきた。

 なにかイベントでもやっているのだろうか?

 それにしては賑やか過ぎている気もする。

 野次馬にも近い人集りのそばまで寄ってみる。


 マーシャとウィルの家は一体どこだろうと俺は街の人に声をかけようと思った最中、信じられない言葉を聞いた。


『事件だって』


『なに?』


『そこに住んでいるウィル・グレイダーとずっと不在でいなかったはずの助手のマーシャ・タートナー、この2人が誰かに惨殺されたらしい』


 俺は一瞬耳を疑った。


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