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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第2章 探索開始!
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【アプの任務】


 足を踏み下ろすとそこに生えている草がガサガサと音を出す。

 春特有の陽気が暖かくてたまに吹く風がすごく気持ちいい。


 ここは第1管理所だ。

 アパレルは食事後、外の庭を1人で歩いていた。


(《研究》チームの任務はMonsterに関する調査……《探索》チームの方の課題もあるし、今回は正直体力的に厳しいな……)


 随分前から出没するようになった謎の生物であるモンスターは存在自体がまだまだ分からないことだらけである。

 たまに人里を襲うこともあるが、鉢合わせしない限りはそこまで凶暴ではない。


 国や軍、学院は正確な発祥の原因を探っている最中だ。




「あっ、アプ! ここにいたんだ?」


 アパレルは不意に後ろから話しかけられ、思考を中断して振り返った。


「リン君どうしたの? 何か用?」


「あ…いや…その」


 淡々と答えるアプの様子に俺は何か邪魔をしたのかな?と思った。


「いや別に用はないんだけど外に出たら姿が見えたから。ごめん何か考え事してたんだね」


 俺は焦る。

 とても気まずい。


「気にしないで。話しかけてくれたことの方が嬉しいよ?」


「そ、そう?」


 嬉しいとか…言われて俺は顔が赤くなった。


「昨日はいきなり話しかけてごめんね。リン君のお陰でチームの人と上手く協力できそうだし、助かっちゃった」


「昨日は、俺のことがよく分かったね」


「一緒に行動する2人の名前と特徴だけは聞いていたから。ちらっとiDカードが見えちゃったの。それで思わず話しかけちゃった」


 アプはそう言って笑った。


「慣れない課題で大変だよね。何か困ったことがあったら言ってね?」


 俺は力になるからと伝える。


「なーに2人でイチャイチャしてんのぉ?」


 突然背後から声がかかる。

 この声はカヲルだ。


「別にイチャイチャなんかしてないだろ! 邪魔すんなよなぁ」


「やれやれ……できるならジャマはしたくないけどさ。そろそろ第二管理所に行くから支度しろってさ〜」


「あっ、もうそんな時間?」


 アプは左腕に付いているスキャナーを見た。


「もう12時をまわっているわね。急ぎましょうか」


 俺たちは庭からガラスで出来たドアを開けて室内へと戻る。


「遅い! 早く支度なさい。みんな玄関で待っているわよ!」


 そこで俺たち3人を待ち構えていたのは、ワイズの罵声だった。


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