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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第16章 再会…?
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【やっぱりーー‼︎‼︎】

「あの街の名前知ってる?」


 少し遠くの先に見える街を指差し、俺はレミナに尋ねた。


「確かモモブモモブール」


「モモ……ブ? モモ⁈」


 レミナから聞いた名前はメラクニル村を超える舌を噛みそうな町名である。


「モモブモモブール。聞いただけで、私も入ったことはない」


「そのモモブ? モモブールはどんな街とか聞いたことある?」


「名前の通りだと聞いた」


 彼女はスパッと告げた。


「名前の通りってモモブモモブールの名前の通りモモ……桃がいっぱいある街とか?」


「違う。ブールとはどこかの言葉で球体という意味らしい。全ての家が丸みを帯びて建てられていて、モモブさんとモモさんが昔、開村し発展を遂げた街なのだそうだ。これはあくまで噂で聞いただけだが」


 レミナの言葉に俺はますます理解不能に陥った。この国には変な街や人が多い気がする。



「ねぇ」


「なんだ?」


「聞いてもいい? 街の入口の前にすごい怖い顔して睨んでるオジサンたちがいるんだけどあれは……」


 レミナと街を目指し歩きながらふと口にする。さっきから気になっていることだった。


「門番かな」


「でも、なんで睨んでるの?」


「そういう顔なんだろ」


 レミナは興味なさそうに言い放つ。

 俺も負けじと引かない。


「みんなひげが生えてるけど」


「オジサンだからな」


「剣とか構えてるよ?」


「この辺も物騒だからなぁ」


「向かってきそうだよ?」


「門番だからかな?」


 このやりとりを延々と繰り返すのだろうか。

 ふとそう思った時、前にいる怖そうなオジサンたちに動きが出始める。

 街の外、塀の後ろからぞろぞろと何人も集まってきたのだ。


 ガキだ。

 街の子か?

 人質にとろう。

 そしたら門を開けるだろう……と聞こえた気がした。


「レミナレミナ! 増えた増えた! オジサン、増えてる!」


 俺は彼女の肩を後ろから揺らした。



「んー? あ、あれは……」


 レミナもやっと真剣に目を細めて、オジサンたちを見やった。

 そして彼女の体にビクッと力が入る。



「リン! あれは門番じゃない! 盗賊団だ‼︎ 戦闘するぞ」


「やっぱりーー‼︎‼︎」


 鞭の武器を取り賊の元へ走っていくレミナ。

 俺は後ろで銃を構え彼女に続いた。


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