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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第14章 アプの両親
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【勘弁してよ】

 銀色の猫の顔に肉球と尻尾がついたツナギのような……なんとも言えない格好のその人物? は思ったよりも小さい。


 身長は150センチ? よりはあるのだろうか。


 俺よりも10センチ以上身長差のあるそれは、少しハスキーがかった低めの人間離れしている声で、グループの仲間であるカトレアと目の前にいるレミナの名前を口にした。


「猫、なぜ私の名前を知ってるんだ?」


 レミナは尋ねる。


「オレだよ! オレ! とーまダヨ⁈ なんでこんなトコロにいるんだヨォ?」


 とーまの返答にレミナは驚いて目を丸くした。


「とーまか! 猫にイメチェンしたのか⁇」


「レミナ! なんだそいつぅ〜彼氏カァ⁈‼︎」


「なんでとーまがフェルテルにいるんだ⁇」


(この2人、質問ばかりでお互い何も答えてないな)


 俺はまぁまぁとこの場を収めようとするが、このちびっと猫の変態は全く聞いていなかった。


「猫可愛いじゃないか! 前のよりずっといいぞ! こいつはリンという、私の旅の大事な仲間だ。ははは。まさかこんな所で会うのはな! 人探しにここまで来たのだ。ははは」


「まさか、商品の仕入れにフェルテルまできて、コンナ所で会うとは運命ダナ‼︎ カトレアが作ってクレた猫ダヨ! 似合うダロ⁈ ヒャハハ」


(最終的に話が噛み合ってるし……)


 道の真ん中でゲラゲラと笑いながら勝手喋っているレミナととーまを迷惑そうに避けていく周りの人の目は冷ややかだ。


 仲間だと思われている俺はとても恥ずかしい。



「えーっと、とーま? 初めまして……」


 俺は猫の人に改めて名乗る。


「リン? 男は……ん? よく見たら、オマエ、レミナそっくりダナ⁈ もしかして女カァ⁈」


「は?」


「ソレにしては胸がナイ」


 猫の顔はぬっと近づいてくる。


「何を言って……」


「リンは男だぞ? たぶん」


「たぶんって何だ!」


 レミナはケタケタと笑っている。


「ユナが言っていただけで、確かめたことはないからな!」


「確かめられたら困るわ!」


 レミナの言葉に俺はすかさず突っ込む。



「ボーイッシュな子も大歓迎ダァ‼︎」


 とーまはそう言って、気づくといつのまにか俺の手を取りぶんぶんと縦に振っていた。



「うわっ! ボーイッシュじゃなくて、紛れもないボーイだから!」


 俺は慌てて手を引き寄せ、一歩後ろに下がった。なんだか身の危険を感じ警戒する。


「ヒャハ! シャイなんだぁナァ! ヨロシクなぁ?リンは彼女の1人にしてやるゾォ? ヒャハハァ」


 可愛い猫の顔とは裏腹にとーま気持ち悪い発言に悪寒が走る。

 俺はなんだか光線銃を撃ちたくなった。

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