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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第14章 アプの両親
110/219

【そこか】

 マラカナと別れた4人はレンバースの街の外へ出て、バイクがある所までやってきた。


「グレース。さっきのマラカナからもらったモニターどうするの? そんなのなくてもリンたちに通信機で連絡取れば……」


 ワイズはできれば使いたくないと話す。


「あぁ。正直今すぐにでも壊したいとこだけど、これだけ壊したってきっと意味ないよな」


「体に埋め込まれてるっていうやつ取ってやりたいなぁ……ソレ出せないのかな。どこに入ってるんだろう。腕とか?」


 カヲルはそう言ってう〜んと悩み出す。


「そうだね。酷すぎるよね」


 カトレアは同意して、首を縦に振った。


「そういえばリンはいつもピアスしてるよね。あの子あんまりオシャレとか興味なさそうだから、そこだけ不思議だったのよね。あれは昔から?」


 ワイズはカヲルに尋ねた。


「少なくとも初めて俺が会った時はすでにしてたな。そういや取ってるところを見たことがない。ワイズちょっと通信機貸して? リリフに確認する」


「了解」


 ワイズはカヲルにスキャナーを手渡した。

 彼はアパレルの通信機に呼び出しをかける。


『はい? アパレルです。あ、カヲル君? どうしたのー?』


 みんなに聞こえるようにスピーカーになっている。


「あのさ、ちょっと聞きたいことがあって……リリフ今いる?」


『リリフちゃんは買い物に出かけちゃって、そばにいないのよ〜私はユナ君と家でデータとにらめっこ……今、別行動中なの』


「そうか。うんわかった。ありがとう。俺たちもこれからそっちの国へ行って、リンたちと合流しようと思ってるんだ。リリフにそう言っておいて? じゃあまた」


『了解! みんな気をつけてね? またね』


 カヲルは通信を切った。



「……聞いた通り」


 彼は本人に聞いた方が早いかも……と一言加えて、ワイズに通信機を返した。


「レミナもピアスしてないか確認の連絡するか。ついでに近況報告だな」


 彼女の耳は長い髪の毛で隠れている。どうなっているのか見たことがない。


 グレースは通信機の呼び出し音を鳴らした。




『はい? レミナだ』


「あ、レミナ? グレースだよ。あのさ、今大丈夫?」


『おぅ大丈夫だ。今、リンとフェルテルの街に着いたとこだ』


「そうなんだ。お疲れ! あのさ、ちょっと聞きたいことあるんだけど、レミナはピアスってつけてる?」


『ピアスってなんだ?』


「耳につけるアクセサリーなんだけど」


『いや、付けたことないな』


「そうか。レミナの耳には何も着いてない感じ?」


『いや? リンと同じような、黒い丸いものが付いてる。これ取れないのだ。ん? リンも取れないと言っているな。これがどうかしたか?』


「昔から2人とも付いてるのか?」


『ああ。ん? ちょっと待て』


 通信の先でほれっと手渡されたような声がした。



『もしもし、グレース? 俺だけど、これは昔からだよ。触った感じ皮膚とは違って硬いんだけど、ホクロみたいに取れないんだ。そういや、みんなには付いてないよね』


「そうか。わかったありがとう。俺たちはこれからそっちの国へ向かうつもりなんだ。その時にまた詳しく話すよ?」


 グレースはいきなりごめんなと謝った。



『⁇⁇ ……うん、わかった。これからアプの両親の情報を聞こうと思ってフェルテルまで来たんだけど、もし合流するならいったん港まで戻った方が良い?』


「いやそのまま探してて大丈夫だよ。俺たちはこれからバイクで港まで2時間以上……船でピストシアまで3時間かかるから、今日中にそっちの国に着けば良い方だな。ま、リンたちは気にせず進んでいって構わない。いつか追いつくと思う」


『了解! ここ、モンスター結構多いからみんな気をつけてね! なんか武器みたいなのを港で買った方がいいかも? じゃ、またねー』


 リンはそう言って通信を切った。


「耳か」


「耳だな」


「でも、取れないって……」


 そう言ったカヲルとグレースに続いて、カトレアも呟いた。



「取れなくても……たぶんあれは機械だろうから壊すことは可能なんじゃないか?」


 グレースは何か対策を考えとこうと話す。


「とりあえず、場所が分かっただけでも今は良しとしましょ。リンが武器買った方が良いって言ってたわね。一回学院にお金取りに行く?」


 ワイズは尋ねた。


「そうだな。教授に報告がてら一回学院に戻って準備するか」


 グレースの言葉に3人は頷く。


 そして学院に向けてバイクを出発させた。

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