表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第13章 旅への出発
100/219

【レンバースの街の朝に】

 レンバース。

 ストゥートの国の北限の町ウェイルズまで行かない途中にある大きな街の地下には隠された国の研究施設がある。


 このバモール研究所は街の人々のほとんどが知らないことになっていて、父を訪ねに来たカヲルと仲間のワイズは研究所の入口が分からず苦戦していた。


 1日では探しきれず、夜に合流したグレースとカトレアと一緒にレンバースの宿屋で一泊した。


 そして4人は朝早くからこの街の劇場まで来ていた。


 ワイズが幼少時に聞いた、バモールまでの道筋を示した暗号の唄には星の家と星の時計を探すよう謳われていた。


 星の形の家も星のマークの家もなく、ずっと探し回っていたカヲルとワイズは、夕方になってどこかの言語で示された星の名前の店を門から奥へと辿ることに気づく。


 服屋のステッラから始まり、大通りの正面にあるレストランのシュテルン、そしてシュテルンの横の階段を上がった道を進んだ先にある大きな劇場の名前がエトワールとなっていた。


 全てが星の名前を指しており、学院……つまり国の管理している店であった。



 そんな経緯を経て、ここエトワールの劇場まで辿り着いたところだった。


 しかし劇場は休館日のようだ。


 入口は閉まっており入れなくなっている。



「この辺に星の時計がないかな?」


 カヲルは言った。



「う〜ん、目ぼしいものはないな。やっぱり中かなぁ?」


 グレースは周りを見回して答えた。



「劇場の裏の方に少し公園? らしき広場と花壇が見えるよ。そっちに行ってみない?」


 カトレアはみんなに提案した。



「そうね」


 ワイズは答え、劇場の裏へと4人は歩き出す。






『関係者以外立ち入り禁止』






「おっ。分かりやすく看板があるぜ?」


 この広場はあまり整備されていなく、膝くらいまで草が生えている。

 カヲルはこの入口に張られたロープに付いてる注意書きのプレートを見て、ここが当たりじゃないかと話す。



「確かに」


 グレースは同意した。



「よし。入ろう」


 カヲルはロープを遠慮なく跨いだ。

 そして草の中へと入って進んでいく。



「えっ⁈ カヲたんいいの⁈」


 カトレアは思わず声が出た。


「いーよいーよ。俺たち関係者じゃん? 大丈夫さ」

 

 そう言って彼はどんどん行ってしまう。


「ま、行くしかないしな」


 グレースも跨いで入っていった。


 ワイズはスカートなのに……はしたないと言いつつも彼らに続いた。

 カトレアも不安ながら3人について行く。




「ほい見っけ」


 そう口にしたのはカヲルだ。



 草がぼーぼーになった広場を2分ほど進んだ先に、4メートルくらいの高さの時計塔があった。


 時計塔の周りは木々によって隠され、正面には大きな劇場……街からはよく見えない場所にうまい具合にそれは建っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ