コーヒーはテイクアウトで
久しぶりの短編小説です。うまく書けているかはわかりませんが、読んでいただければ嬉しいです。
今日もLINEの返信なしか…。
夕方一回返事きたな。
『もうすぐ仕事おわりそう』
あのそっけない返事から、何時間たっただろう。
鳴りもしないスマホを見つめため息をついた。
いつもの馴染みのカフェでコーヒーをすすりながらぼそぼそと呟いた。
「きっと疲れてるんだろうな…」
「それは君だろ?」
予想外に返事が返ってきて視線を上にあげると、一気に心臓が高鳴った。
「どうして…」
「君ん家に行こうと思ったんだけど、その前にここの店のコーヒー好きだから買っていこうかと思ったんだ。そんな必要はもうないみたいだけど」
そう言いながら私の正面の椅子に彼は座った。
「一人だから、家にいてもつまらなくて…」
うつむき加減に言うと、頬に温かな感触が触れた。
彼の大きな手ー。温かい。いつぶりだろう…。
「寂しい想いをさせてごめんな。明日は休みとれたから」
「ほんと?」
「ああ…」
彼が優しく微笑む。
「じゃあ帰る…」
私が機嫌がなおったのを見て彼は嬉しそうに笑った。
私もつられて笑った。
「じゃあテイクアウトして、家でコーヒー飲みなおしすか」
「えっ。そんなに飲めないよ」
「大丈夫だよ。夜は長いから…。寝ないように、しっかり飲んで目覚ましときな。まぁ、寝かせないけどね」
それを聞いて顔が徐々に赤く染まる。
彼はそんなのお構いなしに手を引っ張り、満足そうにレジへと向かった。
やはり、一話完結が書きやすくて私にはあっているなと思いました。これからも気張らず、一話完結ものを書いていければとおもいます。
読んでいただいてありがとうございました。