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令嬢は嗤う  作者: バーン
8/63

休日

自室に戻り、足をバタバタして悶える。

クッションに顔を埋めて笑いをこらえる。


(仮)の状態を解消して元に戻るということは?次は正式にお付き合いするつもりなのかしら?


「うふふ……」


いや、でも……フェルロッテ様がいるから無理かなぁ。もしテオドルフ様と付き合う事になったら彼女が悪役令嬢化して立ち塞がる可能性もあるかもしれないし。それは嫌だ。できれば誰にも悪役になんてなって欲しくない。


「……」


喜んだり落ち込んだりを繰り返す主人を見かねたアンが服を畳みながら尋ねる。


「明日は休日ですが何がご予定はございますか?」

「特になにもないわ。約束もないし」

「では明日はお出かけするのはいかがですか?ここは王都ですし、商店街も大きく賑わってますよ?」

「アンは行ったことがあるんだ?」

「奥様の付き添いで何度かご一緒させて頂きました」

「ふーん。……じゃ、いってみよっか」

「では寮長に外出許可を頂いてきますね」


手を振ってアンを送り出す。


王都の商店街かー……。どんなだろ。






その夜、夢を見た。


深遠なる闇の中、どこからか女性のような声が聞こえる。声は小さく聞き取りづらい。意識を集中してやっと聞き取れる程度だ。


「……して……」


「誰……?」


見渡すが周りには誰の姿も見えない。ただ静かな夜の海のような深い闇が広がっているだけだった。


「私の……」

「体を……して……」


声は段々と大きくなっていき、意識しなくてもハッキリと聞き取れるようになった。

声と共に足元から粘性のある流体と化した闇が蛇のようにのたうつように這い上がってくる。

胸元まで這い上がってきた不定形の闇が段々と人の形をとり始め、蠢きながら女性の形になっていく。


「な、なに?あなたは誰……?」

「私の体を返して……ッ!」


言葉を発すると同時に襲いかかられた恐怖で目が醒めベッドから跳ね起きる。


「何だったのかしら……今の……」


心臓が早鐘を打つようにドクドクと激しく鼓動している。

私が起きた事によってアンも目を覚まし寝具が乱れるのも構わず飛び起きてそばにくる。


「どうされましたお嬢様?顔色が優れないようですが。それに大量の汗もかかれておられます。そのままでは風邪を召されてしまいますのですぐお体を拭く物とお着替えをお持ちします……」

「ありがとう、アン……」




夢のことは一旦忘れて気分転換をするため、アンが出してくれた私服のドレスに身を包み予定通り二人で王都の大通りに遊びにきた。大通りは石畳で舗装されていて割と清潔であり、空は晴天で気持ちが良かった。さっそく通りのお店を見て回る。さすがこの国の中心だけあって多くの店が軒を連ねている。


今日は休日なので沢山の人が行き交っている。


商店や屋台を見て回っているとヴィルノーとばったり出会う。ヴィルノーは友人と会話しながら近づいてくる。


「……ヴィルノー卿、やはり私は学院内で呼び方に敬称をつけて呼ぶことができないことには反対です」

彼は悔しそうに顔をしかめる。


「会長も学院の方針に従い、自らを律しそのようになされている。貴殿もそれに倣うべきではないか?」

「……しかし、平民に合わせるなど貴族としての矜持が……」

「彼らは我々の水準で教育を受けていないのだ。そこは上に立つ者として生まれた分、余裕をもって寛容するのが我らの務め。それに……この先、どのような理不尽が降りかかるとも限らん。それに耐えるための試練だと思えばいい。なに卒業するまでのほんの二年ほどの我慢だ」


先を歩いていたヴィルノーがこちらに気づくと足を止め、笑顔で顔を輝かる。


「やあ、アルメリー嬢!……とそちらの女性は?」

「ヴィルノー様。覚えてくれていたのですね。こちらは私の専属メイドでアン」

「自分は生徒会執行部に在籍するヴィルノー・ラファル・ベルトランです」

「アンリゼット・ペルーシュと申します。以後お見知りおきを、ヴィルノー様」

「こちらこそ、よろしく!」

「ヴィルノー様、そちらのご友人は?」

「 エンビロンスです。よろしく」

紹介された彼は、不機嫌そうに挨拶をする。生徒会の面々ほどではないが彼も割と整った顔立ちをしている。短かめに刈り揃えられた薄い緑の髪が若干幼さを醸し出している。


「すまない、こいつは女性がちょっと苦手なものでね。許してやってほしい」

そう言って笑いながら軽く相方の頭を小突く。


「そうそう、テオドルフがよく君の話をするんだ。自分もあれ以降君が来てないかと気になってついつい探してしまうようになってね」

「まぁ、そんなに気にかけて頂けて光栄です」


「これも何かの縁。もしよければ、これから一緒に街を散策するのはどうかな?」

アンの方をちらっと向いて確認すると目を伏せ何の反応もない。主であるこちらの意志を尊重するということかな?と解釈しヴィルノーの申し出を受けることにする。


「こちらこそ、よろしくお願い……」


返事の途中で友人の彼が口を挟んでくる。


「ヴィルノー卿、女子と近づきすぎです。女子に近づくとあなたが穢れます!」

と言い放ちこちらを敵視してくる。その彼がちらちらとヴィルノーを見る視線がなんだか熱いのに気付いた。


これってBLってヤツ?確か□△美がこういうイケメン×イケメンの禁断の恋みたいなシチュエーション好きだったわねー。あれ……□△美って誰だっけ……思い出せない。


「エンビロンス……悪いが暫く黙るか、分かれて後で合流しようか?」

「くっ……!分かりました。黙っておきますので一緒に居させて下さい!」


その返答から彼が相当ヴィルノーを慕ってるのがわかる。


その後も雑談をしながら4人で商店街を巡った。


「そうそう来週末の授業がダンスなんですよー。私、あまりダンスが得意ではなくて……」

「なら、自分を相手役にいかがですか?こう見えて幼い頃から嗜んでおります故」

「では機会があれば是非……」


というか社交ダンスなんてやったことないわ!アンと練習できるほど部屋は広くないし……あーもうどうにでもなれ!


雑談に花を咲かせ、彼の行きつけのちょっと高そうなお店で一緒に昼食をとる。

(さすが名店だけはあり味もなかなか良く、彼の奢りで財布も痛まず大満足だった。)


「……アルメリー嬢、この大通りを中心に商業区を軽く見て貰ったがどう思う?」

「え?兵士の方々も勤勉に見廻りされて治安もよくて、商人の皆さんも活気がよくとても良いと思いますが、どうかされました?」

「アルメリー嬢にはあまり関係無いと思うが王都といえど、やはりどうしても治安が行き届かない所がある。港湾地区の一部やそこに隣接する居住区にある貧民街等。そこはあらゆる犯罪の温床になっている。スリ、強盗、誘拐、殺人……禁制品や違法薬物なども取引されていることがあるらしい。そんな所にのこのこ行けば身の危険がある。間違っても近づかないようにして欲しい」

「わかりました。肝に銘じておきます」


王都も綺麗な所ばかりじゃないんだ……。やはり多くの人がいるとそれに比例して犯罪に手を染める人や発生しやすい場所が自然とできるものなのね……。


ヴィルノーのお陰で王都の光と闇を知ることができた。これは今日一番の有意義なことだったと思う。


この後も、気になった屋台の食べ物を買って貰ったりして(食べ歩きは「はしたない」とアンに禁止されたため)休憩を挟みつつ過ごす。充実した休日を満喫し、アンは日用品などいくつかの必要な買い物をして大通りを後にした。





翌日、授業が終わり放課後いつもの通り廊下で待っていたが、宣言通り彼は放課後に迎えにこなくなった。


通り過ぎるクラスメイトが彼の顔がみられないのが寂しいのか、残念そうにつぶやく。


「今日はあのお方来ませんね……?どうされたのかしら」

「教室移動中にお見かけいたしましたわ。ですのでご病気などではありませんわね」


私はいたたまれなくなって生徒会室へ小走りに移動する。廊下で待っていた会長に今日の担当エリアを確認し、掃除に精を出すのだった。





翌日の放課後。多分こないであろう彼を待つ。

すぐに生徒会室前へ行ってもいいのだけど。少しだけ……。


目の前を通りすぎる女性徒達がワザと聞こえるように囁く。


「フラれたのかしら?フフフ……やっぱりね」

「でも、あの方のお顔を見られないのはちょっと残念ですわぁ~」


などと言いながらニヤニヤしながら去って行く。

なんて噂話が回るの早いのかしら……。


体重を預けていた壁から背中を離し生徒会室へ向かおうとした時、教室から出てきた例の三人組につかまる。


「アルメリー様。キャスパー様の一件ほんとお見事でしたわ」

「私達にちょっとおつきあいして貰えませんこと?」

「良く切り抜けたね~」


スリーズとフェーヴがサントノーレをキッと睨み、のほほんとしてたサントノーレはサッっと横を向いて口笛を吹いてごまかす。


逃げようとしたのだが、フェーヴに手をつかまれ振り解こうとしてる間に囲まれてしまう。


「一体何の用ですか?私、このあと用事がありますので……」


一応断りを入れるが、案の定聞き入れて貰えそうもない。


「あなたに会いたいと仰る高貴な方が貴重な時間を割いてお待ちですの。一緒に来て頂けないかしら?」

スリーズが口角をあげ、さらに脅しにかかる。


「来て頂けないとあなたの大事なモノが黒焦げになりますわよ?」

「その綺麗な髪がいいかしら?それともその制服?肌にやけどがいい?」


言い終わると、なにやらブツブツ呟いたかと思うと腰辺りまで持ち上げた左の手のひらの上には燃焼するのに必要な可燃物が何も無いのにもかかわらず握り拳大の火がメラメラと、まるで舌なめずりするように揺らめいていた。


「何も燃える物がないのに急に火の玉が!?」

「あら、魔法を見るのは初めてかしら?フフ……」


彼女らとやりとりしている間に見たことがない女生徒が数人、包囲網に加わり逃げられない状況ができあがり、早々に抗うのを諦める。


「それで……、どこについていけばいいのですか?」

「物わかりが良くて助かりますわ、アルメリー様」


フェーヴが笑顔で応える。スリーズが勝ち誇ったように「ふん!」と顔をそらすと、左手の上で踊っていた火球は空気中に霧散し消え去った。


彼女らに誘導されるまま校舎と校舎の間、人目につきにくい所まで連れて行かれると別のクラスだと思う紫色の髪をストレートに長く伸ばした少しふとましい女生徒が取り巻きと共に待っていた。


「ようこそアルメリーさん。テオドルフ様との逢瀬は楽しめたかしら?あなたフラれたのですってねぇ?」

「あの方とは友人です。今でもそれ以上でもそれ以下でもありません!それよりあなたはどこのどなたですか!?」


傍に侍っていた男子生徒が芝居がかった仕草で声を張り上げる。


「この無礼者!この方をなんと心得る!バルバベット伯爵家令嬢のクリュエル様であるぞ!頭が高い、控えおろう!」


周りを取り囲んでいた人達が頭や肩を押さえつけて私を跪かせようとするが顔を上げ必死に抵抗する。


「あっ、こんなとこで名前叫ぶなんてバカじゃないの!」

クリュエルと呼ばれた女生徒は激高して男子生徒の頬を打つ。


「あなたったらテオドルフ様に振られたら、すぐ次はヴィルノー様に手を出そうだなんて……」

喋りながら先程打った男子生徒の頬を妖しく撫でている彼女。


「何のことですか?」

「あーやだ、しらばっくれちゃって……。この前の休日、大通りで仲良くいちゃついてるのをしっかりと見てる子がこちらにはいるんだからね!」

「あれは偶然です。たまたまあそこで出会って……それに向こうからお誘い頂いただけで……」


それを聞くと彼女は震えだし髪を振り乱して叫ぶ。

「嘘よ、そんなの信じられないわ!あなたのような下級貴族の娘なんかあの方の目に入るものですか!あの方は女子よりも男子が好きなの!そうに決まってるの!わかる!?」


ヴィルノー君、やっぱり君って周りからそう思われてるんだ……。これ、本人はどう思っているのだろう……。ちょっと聞いてみたいかも……。おもわず顔がにやけてしまう。


彼に対する周りの認識を改めて知ってしまったため思わず力が抜けてしまい抑え込んできてる力に抗えず地面にひざを付いてしまう。


「あらやだ、何そのへらへらとした表情……むかつくわ。これは少しおしおきが必要ね?」


彼女が指を鳴らすと傍に控えていた女生徒が先程のスリーズのように、こちらに突き出した手のひらの上に数個の握り拳程度の火球を生みだしていた。





少し前。生徒会室前の廊下にアルベールが一人佇む。


「遅いな。いつもなら放課後割とすぐここへ来ていた彼女がここまで遅れるとは……」


何かあったのかもしれない……。


すぐさま生徒会室に入り、執行部の緑の腕章をつけた人物に声をかける。


「ヴィルノー、悪いが少し校内の見廻りをしてきて貰えないだろうか?いつもならすでに来てもおかしくない頃なんだが、アルメリー嬢の姿がみえないのだ」


「会長様に頼まれては嫌とは言えんな。わかった引き受けよう」

ヴィルノーは隣に用意されている執行部の部屋でカード遊びに興じていた執行部員の何人かのうち二人に声をかける。


「エンビロンス、アジューター、ついてきてくれ」

「あ、ちょっと待って下さい!」

「す、すぐ行きます!」


彼らを待つことなく廊下に向けて部屋を駆け出す。


まずは聞き込みからだな。会長はアルメリー嬢の事を気にかけていた。なら下級生のクラスを調べた方がてっとり早い。昨日色々話をしたのに彼女のクラスまでは聞かなかった。そこまで尋ねては引かれるかも、と不安だったからだ。こんなことなら聞いておけばよかった……!


急ぎ一階まで降り、手分けして情報収集することにする。ある程度聞いて回ったらエントランスで合流する手筈にして下級生クラスの生徒達に何かいつもと違うことや異変がおきてないか早速聞いて回る。




「どうだった?何か手がかりはあったか?」

「女子生徒一人が取り囲まれてどこかへ連れていかれるのを見たという証言がありました!」

「僕も同じような証言を得ました。あちらの方向へ向かったそうです!」

「急ぐぞ!」

「「はい!」」





彼女の手に何匹もの蛇がからまったようにのたうち揺らめく火球が数個生まれると私を直接押さえ込んでいる三人以外はあとずさり距離を取る。流れ弾による被害を避けるためだ。


「さあ、あの愛らしい苛つく顔をちょっと焦がしてやりなさい!あはは!」


彼女の手の上の火球が横回転を始め弓を引き絞るような集中と静寂の後、こちらに牙を向け一斉に襲いかかってくる!



「うぉおおおおッ!!」

そこへ獣のような叫びと共に走り込んでくる人影。全体重を乗せたタックルで囲んでいた数人をはじき飛ばし、その勢いのまま私の前に飛び込んで立ち塞がり彼女の放った火球を全身で受け止める。火球は螺旋を描いてはじけ飛び、それによって瞬間的に燃焼したものが煙となって辺りを覆い一瞬視界が塞がれてしまう。


「ぐうぅッ!!」

服と肉の焦げたような匂いが辺りに充満する。制服のあちこちが焼け焦げ、直に当たった腕や足などの一部は皮膚まで到達して火傷を負っていた。苦痛に少し顔を歪めるがすぐに振り向き、自分の事より助けた女生徒の安否を確認する。


「大丈夫ですか、レディ?」


こちらへ向けられたすす汚れた顔はヴィルノーだった。彼が助けに来てくれた。見知った顔に安堵し目に涙がこみ上げてくる。

私が涙を浮かべていると分かると、込み上げてきた怒りを押さえつけている彼らの方へ向け、雄叫びを上げる。


「貴様らァアア!!」

「「「ひっ!?」」」


私を押さえつけていた人達は彼の怒号に怯え、手を放し逃げようとするが彼が連れてきた二人が追いつき、あっという間に倒され捕縛されてしまった。


ヴィルノーはそれを一瞬だけ確認すると、まるで火傷の痛みを感じてないかのごとく首謀者の方をめがけ興奮した猛牛のように駆けだしていく。


「お前ら体当たりでヤツを止めろ!時間を稼げ!我らの役に立て!!」


彼女の隣にいる偉そうな男子がわめき散らす。負けじと女生徒の一人が首謀者の身を庇いつつ声を張り上げる。


「お逃げ下さいクリュエル様!」


ヴィルノーの突撃を数人掛かりの体当たりでなんとか止める取り巻き達。

末端の取り巻きを犠牲にして彼らは蜘蛛の子を散らすように逃げだす。大半の者には逃げられてしまったが私を拘束してた人達と体当たりに加わっていた数人は捕まえることができた。

(後で聞いた話によると捕縛された彼らは初犯で主犯ではないため刑も軽く数日の間、反省棟という独房に投獄され毎日反省文を書かされたそうだ。)


辺りが落ち着いたことでようやくヴィルノーに駆け寄る。


「大丈夫ですか?ヴィルノー様。私を庇ってこんな火傷を……」

「女性を庇って負った負傷など騎士にとって名誉の傷です。いつつ……」

「ここではまともな手当など出来ませんね。治療室へ移動しましょう」

「すまないが治療室まで二人とも肩を貸してくれないか?」

「「了解!」」



治療室に到着するとそこには医者と言うより神官という方がイメージ的にあう衣装を身に纏った二人がいた。


「先生!彼が火傷を負ってしまったんです。診てあげて下さい!」

「先生?……では、そこへ寝かせてくれるかな」


エンビロンスと相棒の二人が彼を治療用のベッドへ寝かせると、治癒術士の一人が魔法を施す。するとヴィルノーはすぐに眠りについた。「眠らせた方が患者の負担が少ないのでね」と相方の術士が傷口周辺を軽く水で洗い流しながら説明する。綺麗になった患部に彼が魔法を施すと傷がゆっくりと治っていく。


「この程度なら暫くここで休んでいれば痕も残らず完治するだろう」と、彼は約束してくれた。最初は火傷の痕が残るのでは無いかと心配だったが魔法を使えば素早く痕も残らず治癒が可能なんだと驚愕する。


入学式で魔法がどうのと聞いてたけど半信半疑だった。その魔法で自分に危害が及びそうになったこと。盾となって傷ついた彼が目の前でみるみる治っていること。実際に目にする事で信じることが出来た。

ゲームやマンガでしか見たことなかった魔法が自分にも使えるなんて……と思うと不安と期待が膨らんでくる。私がいずれ魔法を使えるようになれば?それが抑止力となって彼女に私への危害を加えようとする事を思い留まって貰う、という事が可能かも?とも思ったが……彼女のグループは人が多い。歴然たる戦力差があるのに相手が少々反撃できた所でちょっかい出してくるのをやめることは無いか……と思い直す。

私に多人数を一気に制圧出来るような圧倒的な力が覚醒するとかそんな都合いい話があれば……あるいは?いや無いかな……。



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