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なろうラジオ大賞用 超短編集

悪役令嬢のインスタ映え

作者: 風柳

私は格式ある家柄の令嬢だ。

そんな私が世間で流行っている『インスタ映え』なるものに挑戦してみた。


ひときわ見栄え良くステキに見える写真を撮ってアップロードすれば良いらしい。

簡単だね、『インスタ映え』って。

私の周りにはひときわ見栄え良くステキに見える光景が溢れているのだから。


それじゃ、レッツトライ、ワン。

私を囲むようにメイド共を並べます。



「さあ、あなた達。私に向かって跪きなさいっ!」



そして私はその中心でふんぞり返って、ハイ、ポーズ、パシャリ。

『インスタ映え』って簡単ね。



さて、アップロードしてみよう。

お、早速コメントが来てる。

どれどれ。



『今時、女王様気どりかよ。最低ー』


『メイドさん達かわいそー』


『これでインスタ映えとか言ってる奴のおつむがしれるね』



イラッ。

なんなの、なんなの。

愚民共には私の美的センスが理解できないって言うのかしら。

しょうがないわね。

もっと『インスタ映え』するような写真あげてやろうじゃないの。


というわけで、レッツトライ、ツー。

メイド達でピラミッドを作ります。

そしてその上に私が上ります。

うんしょ、うんしょ。



「おー高い高い。ほら、この私の雄姿を撮りなさいっ」



パシャリ。

よしよし、良い感じでメイドピラミッドに乗る深窓の令嬢が撮れたわね。


それじゃ再びアップロード。

数分後、早速コメントがつく。



『これで深窓の令嬢とか言ってて草wwwwwww』


『コイツまじで頭湧いてるwwwwwww』


『下の段の右のメイドさん萌え萌え』



イライラッ。

何で私じゃなくて下の段の右のメイドがインスタ映えしてんのよっ!

ほんっと、わけわかんないっ。


やれやれ、愚民共には私のセンスは共感できないものらしい。

『インスタ映え』なんてやるもんじゃないね、ほんと。

バイバイ、『インスタ映え』。

もう二度とやることはないと思うよ。


―――


屋敷のメイドの部屋にて。



「はぁ……あのお嬢様の相手、マジ疲れるわー」


「あんた、インスタ映えしてて良かったじゃない」


「あ、はい。ありがとうございます……」



なんて話がされてたとか、されてなかったとか。

ご感想頂けたら嬉しいです。

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