5 その後
あの日、初めて魔物と戦い神様が現れてから五年が経った。
現在は17歳。この世界では立派な大人としてみられる。
この世界に来たばかりの頃、冒険者として生きていこうと思っていた。
しかし、魔物にやられ俺の思いは簡単に砕け散った。
神様に見放されたと思った俺は、自暴自棄になっていた。
だが、この世界は前の世界と違ってそんなに甘い世界ではない。
働かなければ生きてはいけず、食べるものもなく住む場所もままならなくなった。
仕方なく街の外へ出かけては食料や鉱物を採取し、冒険者ギルドへ納品する毎日を送っていた。
受付のお姉さんは優しく、色々なノウハウを教えてくれた。
毎日休むこと無く街へ出る俺を見たエールさんは、俺の護衛をしてくれた。
他にも、街の人達は俺に良くしてくれた。
その甲斐あって、俺は15歳にしてようやく冒険者登録をすることが出来た。
冒険者になった俺は、エールさんに弟子入りをお願いした。
弟子となってからは厳しい指導が続いたが、2年経った今ではようやくそれも落ち着いてきたと思う。
今では対等とまではいかないが、ほとんど注意も指導もされることなく共に冒険することができるようになった。
【名 前】佐倉 蔵之介
【ランク】2
【レベル】2
【体 力】64
【筋 力】61
【知 力】55
【経験値】149
【スキル】ライト ウインド ヒート コールド 剣術 採取 野営
【名 前】エーレンフリート・ヴァールブルク
【ランク】2
【レベル】2
【体 力】90
【筋 力】75
【知 力】70
【経験値】822
【スキル】剣術 調理 医療 生活術
前を歩くエールさんと自分のステータスを見て、小さく嘆く。
成長期である俺よりも、エールさんの方が伸びているのだから無理もない。
経験値こそ強さだと神様は言った。
神様が言うんだから、それは間違いないだろう。
ランクやレベルの意味は未だ分かっていないが、他のパラメータに関してはなんとなく理解している。
体力、筋力、知力は、その個体の持つ最低限度の能力値だ。
経験値はそれを補うパラメータと言ったところだろう。
いくら体力が高くても、走り方や呼吸の仕方が下手であればすぐにバテてしまう。そんなイメージだ。
経験値=戦闘能力と考えれば、エールさんがあの猪を一撃で倒したことも不思議ではない。
数多くの冒険者を見てきたが、大体一流の冒険者と呼ばれている者は経験値が250前後である。
努力してきたつもりではいたが、まだまだ一流になる道のりは遠そうだ。
『この街は好きか?』
神様はそう言った。
あの時は好きじゃないと答えたが、今では違う。
俺はこの街が好きだ。
住んでいる人が好きだ。街の景色が好きだ。この世界が好きだ。
この街には優しい人がいっぱいいる。
孤児院で育てられ、ギルドの人たちには親切にされ、エールさんにもお世話になっている。
以前は気付かなかったが、俺は色んな人に助けられて生きているんだ。もちろん悪人もいるが、いい人のほうがいっぱいいる。
きっと、前の世界でもそれは一緒だっただろう。
今更ながら、本当の両親にお礼も親孝行もできなかったことが心残りになっている。
ままならないことがある。思い通りにならないことがある。
それでも、俺は生きていく。
きっと、その先に輝かしい未来があると信じて。
クッサ。
なんでこんなクサくて説教臭い話になってしまったんでしょうね。
ただ経験値=戦闘能力をやりたかっただけだったのに。
主人公をニートにしたのが行けませんでしたね。
次回作では主人公は普通の青年にしようと心に誓いました。




