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2 転生先は孤児院

 転生して早五年、俺は孤児院にいる。


 前世があるので物心というのもおかしな話だが、俺は気が付くと孤児院で育てられていた。


 両親は不明。現在10歳である。


 同じ孤児院の子どもたちとは離れた場所で本を読んでいる。


 俺が今いる街はそれなりにでかい部類に入るらしい。


 いわゆる城下町というやつで、孤児院は街外れにあるが、それでも想像以上に賑わっていると言っていい。


 神様に頼んだ通り、典型的なRPGの世界に似通っている。


 それも主人公が住んでいそうな豪華なスタート地点だ。


 さすが異世界転生というところか、待遇が良い。


 道行く人を見ると、農民や商人に混じって時折剣を携えた人が通る。


 シスターにそれとなく聞いてみると、やはりというか冒険者だそうだ。


 冒険者の仕事は主に魔物と戦うこと、傭兵に近いものだという。


 街から街へと移動する際に護衛として雇うのがこの世界の常識だ。


 冒険者は誰からも必要とされるこの世界の男の子が憧れる職業だと言う。


 もちろん俺もいずれは冒険者になるつもりだ。


 そのために今も本を読んで勉強中なのだ。


 「ねぇねぇ、クラノもこっちで一緒にあそぼうよ」


 本を読んでいると孤児院の子供が俺に声を掛けてきた。


 おっと、俺も孤児院の子供だったな。


 クラノというのは俺のこっちでの名前だ。


 記憶にはないが、俺がここに預けられてすぐに自分で名前を言っていたらしい。


 きっと、蔵之介と言っていたのを『クラノ』と勘違いしたのだろう。蔵之介はこの世界では珍しい名前だろうからな。


 「今は本を読んでいるんだ。遊ぶのはまたあとでね」


 俺はそう言って俺に声を掛けたリリエットの誘いを断った。


 「ほっとけよリリー。クラノはいつも本ばっかり読んでんだから」


 リリエットの後ろから生意気な声が聞こえた。


 彼はカイン。俺を毛嫌いする男の子だ。


 子供の相手をするのは嫌いだ。だから俺は無視を決め込む。


 しばらくすると彼らは俺を置いて適当に遊びはじめた。


 




 この世界には魔法がある。


 それは人や魔物も関係なく、あらゆる生物は魔法を使うことが出来る。


 人差し指に意識を集中し、使いたい魔法をイメージする。


 すると僅かだが指先が光りだした。


 初歩の魔法『ライト』である。


 初めてこれを使った時は感動したものだ。


 ようやく俺が望んだ世界に来ることができたんだと、本当に涙を流した。


 この世界であれば俺は落ちこぼれることなく生きていくことが出来る。


 前の世界は俺にあっていなかったんだ。だからいつも無気力だった。そしてニートになったんだ。


 そこまで考えて俺は頭をふった。もう前世なんて関係ない、今はこの世界で生きてるんだ。


 そうそう。俺は神様から転生特典をもらっていた。


 特典内容はステータスメニューを見れること。


 なんとも微妙な特典だった。


 俺は頭の中で意識を集中し、自分のステータスメニューを開いた。


【名 前】佐倉 蔵之介

【ランク】2

【レベル】1

【体 力】24

【筋 力】26

【知 力】42

【経験値】41

【スキル】ライト ウインド ヒート コールド



 「はぁ」


 俺はため息を吐いた。


 だってそうだろ。あまりにもステータスが低いのだ。


 それにスキルも4つもあるが、どれも物凄く使えない。


 ライトの魔法はさっきのように少し光るだけ、太陽のもとだと注視しないと光っているかどうかもわからない程だ。


 ウインドは団扇で扇いだ程度の風、ヒートは布団から出た時の温もり程度、コールドは冷たい床を触った時と同じくらいの冷たさだ。


 まったく魔法という感じがしない。


 しかし、これがこの世界の魔法の標準なのだ。


 周りの生活を見れば、魔法の程度が分かるというもの。


 何故なら、全くと言っていい程に魔法と生活が乖離しているのだ。


 普通、ファンタジーと言えば魔法でお風呂を沸かしたり、料理は魔法の火で調理したりするだろう。


 しかし、この世界では全くそんなことはしない。普通に薪でお湯を沸かし、料理を作るのだ。


 それでも、魔術協会や一流冒険者になれば魔物を魔法で倒せるくらい強力になるらしい。


 俺の今の目標は、魔術協会に入ることだ。


 そしてその後に冒険者になり、世界に俺の名を轟かせるのだ。


 そのためにもまずは本を読んでこの世界のことを知ることだ。


 俺は孤児院の子供たちとはほとんど会話もせず、こうして日々自己研鑽に努めている。


 12歳以上であれば魔術協会に入会することが出来る、それまではここで我慢だ。


 




 ある日のこと、俺はいつも通り本を読み、時折ステータスメニューを確認していた。


 そして気がついた。


 神様にレベルMAXを希望した時、神様にそれは出来ないと断られた。


 てっきりこの世界にはレベルがないのかと思ったが、そういう訳では無さそうだ。


 ではどうして断られたんだろう。


 それからステータスの種類も気になる。


 『ランク』なんてあまり見たことないし、『筋力』も珍しいんじゃないだろうか。


 大体ゲームのステータスといえば、『攻撃力』『守備力』『素早さ』あたりは名前は違えど入っていると思うが・・・。

 

 神様はステータスメニューが見れれば死ぬこと無いって言ってたし、これが関係しているのだろうか。


 どうやらこのステータスメニューの謎を解き明かすのが、俺が最強へと至る一番の近道かもしれないな。


 「クラノ、夕飯ですよ。他のみんなはもう集まっていますよ。あなたも行きましょう」


 考え事をしていると、シスターが夕飯に呼びに来た。


 そして何気なくシスターの方を見ると、なんとシスターのステータス表示されていた。


【名 前】キャロル・ミラー

【ランク】2

【レベル】2

【体 力】48

【筋 力】45

【知 力】58

【経験値】76

【スキル】ライト ウインド ヒート コールド ヒール スリープ



 おお、ステータスは自分のが見れるだけじゃなかったのか。


 これは大きな発見だ。


 っていうかシスター強いな。少なくとも俺より強い。


 スキルの数も多いし。


 まあ、俺はまだ10歳だしな。年齢を考えれば大人より子供が弱いのは当たり前か。


 ステータスメニューの機能に気づいた俺は、孤児院の子どもたちのステータスを見比べ、他に何かないか探ることにした。


 これで俺の最強への道へ一歩近づいたぜ。


 あと三話で終わるんでしょうか。ここから先は巻いていきますね。

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