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Мake the call  作者: 古河新後
序章 ゴミを漁る者

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第15話 『機械同調計画』

「『機械同調計画マシンナリープロジェクト』……ですか?」

「説明しよう」


 ヴァーミリオンの言葉にデュークは応じると、ルージュが目の前のテーブルに端末を置き、ホログラムで立体的に映像を表示する。

 映像は『パースロイド』と人が並んで立っていた。


「『機械同調計画マシンナリープロジェクト』とは、その名の通り、電子機器へのアプローチを簡易化する事にある」


 表示する映像に追加で五つの項目が現れ、デュークは『機械同調計画マシンナリープロジェクト』は五つの“ステージ”に分けられる事を語る。


 ステージ1……体内に小型の電子端末を埋め込み、専用の機器をつける事で通話を行うと言うモノ。警察機関に所属する者の大半はこれを行っており、手術は必要としない。


 ステージ2……身体の失った部位を義肢に置き換える事で本来よりも効率的な身体能力を得る。これは事故などで四肢を欠損した者に対して施されるステージであり、進んで切除する者は殆ど居ない。


 ステージ3……体内の臓器を人工臓器へ置き換え、生身よりも強い内臓機能を得る。これは難病を患っている者や、事故で内臓を負傷した者が主に受ける施術である。健康体で、進んで施術を受ける者は殆ど居ない。


 ステージ4……身体を構築する筋繊維を全て“機械繊維”に変える事で、五感を含める全ての能力を自発的に強化出来るようになる。現時点でこの施術まで施された被験者はたったの一名。故に成功率とリスクは未知数であり、一般的には推奨されない。


 ステージ5……『パースロイド』を含む全ての電子機器を遠隔で操作が可能となる。これは外科的な施術は必要ではなく、ステージ1から4まで全ての施術を受けた者が専門的な訓練する事で獲得する能力であり、未だ検証が続けられている。


「これらの情報は秘匿と言うワケではないが、ステージ1から3は一般人に対する医療行為の発展にも貢献している。『機械同調計画マシンナリープロジェクト』は主に軍事利用を目的として施術を受ける場合に適応される」

「軍事利用……」


 一通りの説明を見てヴァーミリオンは静かに呟く。


「そして、“アークライト”はまだ『機械同調計画マシンナリープロジェクト』に対する“意欲者”を選定できずにいる。可能であれば君がその“意欲者”になってもらいたい」

「……僕が……」

「無論、君に強制はしない。拒否してくれても構わないよ」


 その場合、どうなるかはデュークは語らなかった。すると、レイチェルが今まで躊躇っていた声を上げる。


「御父様。やはりこれは……強制と同じです」

「レイチェル、私が聞いているのはお前ではない。彼だ」

「逃げ道がどこにもありません。明日もどうなるかわからないヴァーミリオンにこの方向だけを提示するのは卑怯ではないですか」

「“アークライト”は養護施設ではない。こんな事は言いたくないが……『主席』一族として提示するには最低限の条件だ」

「では、屋敷のメイドたちは? 庭師は?」

「彼らは雇用だ。だが、ヴァーミリオンはその身元さえも定かではない」

「レイチェルさん。貴女も“アークライト”に生まれたからには非凡ではダメだと理解しているでしょう?」

「でも……このやり方はあまりにも――」

「僕やります」


 ヴァーミリオンは今まで自身のない様子から初めて決意した様にそう告げる。


「皆さんは僕の事を最大限考えてくれてるのに……僕だけが逃げてばかりではダメですよね」

「ヴァーミリオン……別に貴方は逃げてなんて……」


 レイチェルの言葉に今度はヴァーミリオンが笑みを向ける。そして、デュークへ視線を戻した。


「デュークさんの提案してくれる『機械同調計画マシンナリープロジェクト』を受けます。」


 改めてハッキリと自分の意思を告げる彼をレイチェルは見る。


「ヴァーミリオン……」

「別に死ぬわけじゃない事は説明でわかりました。僕は記憶を失う前……皆さんにとても迷惑をかけたのにデュークさんは凄く気を使って提案してくれてる事はわかります。だから、それに応えたいんです」

「……けど貴方にも家族がいるハズよ」

「もし、僕に家族がいたとしても僕が生きている事を何よりも望むはずですから。それに皆さん良い人なのに……僕の事で皆さんに喧嘩して欲しくないですし……」


 自分の事で言い争っているアークライト家を見たくない。ヴァーミリオンのその心遣いにレイチェルは少し恥ずかしくなった。


「ふふ。そうね、レイチェルさんの貴重な反抗シーンを記録に収め損ねたわ」

「御母様……止めて」

「ヴァーミリオン」


 デュークが改めてヴァーミリオンへ手を差し出す。


「我々“アークライト”は君の協力する意思に最大限のサポートをすると約束しよう」


 その手をヴァーミリオンは小さな手で確かに握り返すと、


「はい! よろしくお願いします!」


 と、力強く返事を返した。

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