表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

第11話 冬香の行きたい所

 御堂家の朝、拓也と冬香はダイニングで朝食を摂っている。夏香はバスケ部の朝練で、既に家を出ていた。


「ねえ、兄さん?」


 冬香は箸を止めて、拓也に話し掛ける。


「ん? どうした?」


「もうすぐ……ゴ-ルデンウィーク……」


「何だ? 冬香はゴールデンウィ-ク、どこか行きたい所でもあるのか?」


 彼女は、小さく頷いた。


「温泉に入りたい……」


「おお、なるほど、温泉かあ。良いじゃないか温泉。夏香にも話してみて、予定を立てておくか?」


「うん……」


「それじゃあ、この話はまた夕飯の時に夏香も含めて、つう事で」


「うん……分かった……」


 拓也と冬香は朝食が終わったあと各々の部屋へと戻り、その後いつも通りに秋穂が冬香を迎えに来て、拓也は二人を玄関で見送る。それから暫くして、春菜が拓也を迎えに来た。


「拓ちゃん、おはよう」


「おう、春菜、おはよう。それじゃあ学校へ――と、その前にやる事があったんだったな」


「え? 拓ちゃん、やる事って何をするの?」


「昨日、学校で春菜に言っただろ? 毎朝、春菜を抱きしめるってさ」


「え? えっ? ええっ!? た、拓ちゃんが私を……毎朝、だ、抱きしめるの? で、でも、急にそんな事を言われても……。わ、私も、こ、心の準備が……」


 春奈は後ろを向いて、顔を伏せた。


「いや、悪いな、春菜。今言った事、冗談だから」


「え? 冗談……なの?」


「ああ、そうなんだ。まさか、春菜がそんなに動揺するなんて思ってなかったからさ。本当にごめん」


「もう~! 拓ちゃん、酷いよ! 最初は、急にあんな事を言われて驚いちゃったけど……。でも、本当は……」


「春菜、どうした?」


「あっ、べ、別に何でもないのっ」


「そうか、ならいいけど。でも、本当にごめんな」


「うん、もう謝らなくてもいいよ。拓ちゃんだったから、許してあげる」


「おお、春菜、サンキュ-な」


「うん」


 彼女は、いつもの屈託のない笑顔を拓也に見せた。


「それじゃあ、昨日の約束通り鞄の中を見せてくれるか?」


「え? 私の鞄の中?」


 彼女は、首を傾げる。


「昨日、学校で言っただろ? 毎朝、春菜が弁当を持って来ているか鞄の中をチェックしてやるって」


「あっ、ごめんなさい。すっかり忘れちゃってて」


 春菜は、急いで鞄を開いた。


「いいよいいよ。とりあえず、時間もない事だし、ちゃっちゃと終わらせるぞ」


「あっ、うん……」


 拓也が春奈の鞄の中をチェックしたあと、二人は急いでバス停へと向かった。彼女のお弁当に関して言っておくと、今回はちゃんと持って来ていたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ