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下忍ニャミーの異世界奮闘記  作者: 有象む象
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2024 渋谷ハロウィン

私達の猫賀忍者の里に、狼賀忍者が攻めてきて。

一緒にいた、母と兄。弟まで討ち取られ。

私は、父の元に急ぎ。助けを求めた。



 私達は、他愛の無い話をしながら。

 畑仕事を終えて。帰路に付いていた。


 「だから、ニャミーお姉ちゃんは」


 最初に気付いたのは、母と兄だった。

 私が、一番遅く。端で膝をついた。


 馬のヒヅメの音が。徐々に近付いていた。


 最初の馬が、通り過ぎながら。

 兄の首をハネ。

 母は、妹を庇い。背中を深く切られた。


 その後は、10頭の馬が通り過ぎ。


 私は、咄嗟に体を丸め。頭を両手で守ったが。


 私は、運が良かった。

 弟は、同じ事をしたが。馬に頭を潰されていた。


 私は、お腹を踏まれた、妹を背負い。


 猫賀びょうが忍者の里に向かわずに。

 国境の櫓へと向かった。


 国境には、上忍の父と叔父が守っていたからだ。


 私は、父に助けを求めたが。

 国境では、狼賀ろうが忍者の死体も転がっていた。

 私は、死体から刀を抜き取り。父を探した。

 途中で、叔父の死体を見つけ。

 丁重に葬りたい気持ちを抑えて、父を探さした。


 「父上、父上、母上と兄上とニャロジーが討たれ。ニャるんが、虫の生きです。私は、何をしたら宜しいですか」


 父上は、狼賀の犬と鍔迫り合いをしていたが。

 見事、討ち取り。警鐘へ向かった。


 父は、大木に括られた、父の身の丈程の警鐘を梁ごと担ぎ。


 「でかした。ニャミー、生きて居ったか。スマヌが、そこの金槌で警鐘を鳴らし続けてくれ」


 父は、国境の櫓を離れ。

 霊峰『獣山』を目指していた。


 私は、梁にぶら下がった金槌を外し。父上の後を追いながら、警鐘を鳴らし続けた。


 櫓での生き残った犬共を集め。

 更に、猫賀の里へ向かった、狼賀忍者を分断させた。


 「ニャミー、わがままな父を許してくれ」


 父は、躊躇無く。最後の道を飛び越えて、樹海の森へ入って行った。

 私も、警鐘を鳴らしながら、樹海へ飛び込んた。


 鼻の利く犬に対して。木の上に飛び。木の間を縫うように、樹海の奥へと進み続けた。


 2時間ほど、樹海の中を駆け抜けて。父が、途中で止まった。


 父は、大きな樹木に警鐘を括り。

 私を、強く抱きしめてくれた。


 「ニャミー。すまなんだ。父のわがままに付き合わせてしまって。儂は、ここまでのようだ。ニャるんの奴を、預かろう」


 父は、私を離して。背中のニャるんを抱き寄せた。

 ニャるんの頭を、2度ほど撫でて。

 私の頭も、撫でた後。


 「ニャミー。良いか、獣山の頂上を目指せ。反対から降りれるはずだ」


 私は、今まで気が付かなかったが。父の腹に、小太刀が、深く刺さっていた。


 「いえ。私も父上と共に。ここで、討ち死にしたいと思います」


 ニャミーは、盗んだ小太刀を構えて。周りを警戒した。


 「ニャミー、ありがとう。心強いが。父の最期を、里の者に伝えてくれ」


 父は、私を逃がすように。任務を与えた。


 「ニャミー、川を探し。川上を目指せ」


 これが、父の最後の言葉で。


 私は、獣山の山頂を目指しながら。川を探した。



 そして、遠くで鳴り響いていた、警鐘の音が止んだ。


 それは、父とニャるんの死を意味していて。

 汚い犬が、そこまで来たと言う事だった。


 

 私は、しばらくして。川のせせらぎを聞き。

 川に降りたのだが。


 小川は、綺麗過ぎた。

 ニャミーが、欲しかったのは。

 匂いを消す為の泥だった。


 ニャミーは、川を進み。

 水で、匂いを落としながら。川上を目指したが。


 下忍の身で、休むこと無く。体力の配分も知らず。ニャミーの体力と気力が、限界を超えて。


 ニャミーは、倒れて。気絶した。



 予想外だったのは。1個小隊を引き連れていた、狼賀忍者だった。


 追っかけていたのが、小娘だったからだ。

 小娘が、川を勢いよく流れて行った。



 私は、叔父の腰紐を使い。ニャるんを背中に縛っていた。


 私を、叔父と勘違いをして。犬共は追いかけていていた。


 そして、川上から流れて来たのが、猫の小娘だと知ると。怒り狂っていた。


 父上の作戦勝ちだった。


 鼻の良い。汚い犬を騙すことが出来たが。吠え面を見れなかった。



 私は、3 m程の滝から落ちて。


 滝壺で、私は目覚めた。


 大きく息を吸い。


 『ゲボ。ゲボ』と、噎せた。


 生きていた事に驚き。直ぐに、身を隠せる場所を探し。


 滝の裏に、隠れると。洞窟になっていた。

 猫の目でも、奥まで見えず。  


 私の背中から、奥に冷たい風が流れ。

 私は、奥に抜け道が有るのだろうと思い。

 思いのままに。奥へ進んだ。



 直ぐに、広い空間が現れて。

 真ん中に、囲炉裏のような石で囲まれたモノと、炭が残っており。


 私は、手持ちの火打ち石で。火を起こし。

 体を温めた。


 私は、いつの間にが眠りにつき。

 目が覚めると、岩場で寝ていたせいで。


 体が痛い。


 そして、来た時には無かった。

 祠が、青白く光っていた。


 『百葉箱』と書かれており。


 扉を開けると、青銅の鏡が。


 眩い光を放ち。私を包んだ。





 2024  渋谷 ハロウィン


 俺は、DJポリスをしていた。


 丸知 赤狼 41歳 好物うどん 揚げ付き


 狐ではない。


 由緒正しい、狼賀の忍者だったが。

 15年前に、こちらの世界に飛ばされて来た。


 知り合いの探偵に、助けられて。

 武田の助言を受けて。

 年齢制限ギリギリで、警察官になり。現在に至る。


 そして、ハロウィンの夜に、懐かしく強烈な匂いを嗅いだ。


 俺は、猫を見つけた。

 同じ、狼賀忍者を待っていたのだが。

 猫賀のブチが、スクランブル交差点を歩いていた。


 「おい。小便だ。少し変われ」


 俺は、車の屋根からゆっくり降りて。

 後輩と交換をした。


 「分かりましたよ。アナログさん」


 俺のあだ名だ。パソコンを扱えていない。


 「違う。丸地だ。うるせぇぞ」


 俺は、制服だったが。猫に近付いた。




 私が気付くと、狭い部屋に幽閉されていた。

 匂いで、かわやだと気付いたが。

 真っ白で、清潔すぎた。


 私は、壁を確かめ。隣を叩くと、返事が返ってきた。

 私は、壁をよじ登り。外に出ようと、試みたが。


 『すー』と、扉がっくり開いた。


 『カッ。カッ。カッ』


 トイレの中で、ヒールの音が響き。


 変な格好をした、猿もどきが。私に話しかけてきた。


 「コスプレは、良いけど。早く退きなさいよ。漏れちゃうでしょ」


 私は、厠の個室から出され。

 タイミング良く、隣のやつが出てきた。


 猿もどきは、そのまま外に出ず。

 鏡の前に立ち。何か(蛇口)を捻って、お水を出した。


 女は、手を洗い。私は、両手で水を掬い。


 匂いを嗅いで、口を付けた。


 『マジで。そこまでする』

 『汚い。エンガチョ』

 『無理。無理。無理』


 私は、蔑む目を鏡越しに感じて。

 飲んでは、いけないものだと知り。

 厠から、飛び出した。


 人々が、色々な格好をしていたが。

 匂いが、キツイ奴と、薄い奴との2種類がいて。

 猫賀忍者も、狼賀忍者も、何処にもおらず。


 遥か高い建物が並び。見上げてばかりだと、酔いそうなほど、チカチカしていた。


 人々は、四角い板ばかりを見ていて。起用に私を、避けて歩き。

 私も、釣られて、歩き出した。


 四角い箱が、馬より早く走り。

 花壇が、有るだけで。畑は見当たらず。

 歩いていた人々が、急に止まった。


 耳障りだった音が消えて。

 車が走り出し。

 私は、板をのぞき込んだ。

 地図らしきものや、周りを映したもの。春画も動いていた。


 また、耳障りの音が、鳴り始めると。

 皆が、動き出した。

 私も、押されるように。


 渋谷のスクランブル交差点を渡っていた。


 この時に、伝説の忍者。赤狼と出会った。

 噂では、父の3倍ほど強いそうだ。


 「おい、ブチネコ。少し話がある。静かに付いて来い」


 私は、警戒をしていたが。3Mに入るまで、バカ犬と気付かなかった。


 「こんな所まで、追いかけて来たか駄犬」


 私は、懐剣を取り出して。抜こうとした。


 スクランブル交差点で、立ち止まった私に気づき。女性が悲鳴を上げた。


『キャー』


 周りがザワつき始めて。


 スマホのライトが私を照らし。数人が、動画を回し始めた。


 私は、犬を見失い。

 しばらくして、頭に犬の声が届いた。


 「懐剣を仕舞え。銃刀法違反で捕まえるぞ」


 私が、驚いていると。


 「こっちの世界の掟を、教えてやるから。俺の匂いを嗅いで、追って来い」


 犬の言葉は消えて。

 私は、かすかに漂う。犬の匂いを、追いかけた。

 犬は、素早く動き。私もそれを追いかけた。


 私は、犬を追いかけて、路地にいた。


 「待て。今、適当に見繕っている」


 私は、変な服が並んでいる店の前で待たされた。

 待ては、普通犬の仕事だろ。


 犬は、白い袋を抱えて。店から出て来た。


 「ブチネコ、『変化の術』くらい使えるだろ。人に化けろ。そして、この服を着ろ」


 私は、3回くらい人に化けたが、認めてもらえず。

 四回目で、渋谷ギャルに変身して。袋を着た。


 「ブチネコのまんまだな。前髪を垂らして、右目を隠せ。下手くそ」


 私の顔に、大きなアザが残った。


 私は、猫渕 ナミと名乗り。


 赤狼の知り合いの、武田の探偵事務所で、居候を始めた。

未定

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