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第90話 凉乃はまた兄貴のところか……?

 しばらく夏乃さんはハイテンションで俺をからかいまくっていたが次第に大人しくなり、最終的には酔い潰れてすやすやと気持ちよさそうに眠ってしまった。

 お酒には強そうなイメージを勝手に持っていたが、実際は違ったようだ。帰る事にした俺は会計を済ませた後、電話でタクシーを呼び出す。タクシー代も店が立て替えてくれるらしいのでお金に関しては心配いらない。

 その後しばらくしてやってきたタクシーに夏乃さんを連れて行くためお姫様抱っこをする。抱き抱えた体は柔らかかったため変な気分にさせられそうになってしまう。そんな邪な気持ちを俺は必死に押し殺しながら店の外に出る。


「夏乃さんって身長は高いのに結構軽いよな」


 隅田川花火大会の帰り道でおんぶした時にも思ったが、成人女性の平均身長よりも十センチ近く高い割に体重はそこまで重くなかった。

 まあ、夏乃さんの場合はスタイルの維持にかなり気を使っているらしいので当然か。ちなみに凉乃も昔から細いため結城家の遺伝という可能性もある。


「てか、俺がマジでお持ち帰りをするような悪い男だったらどうするつもりだったんだろ……」


 今の完全に無防備な状態の夏乃さんであればどこにだって連れて行けるため簡単にお持ち帰り出来てしまう。そんな事を思いつつ俺はタクシーの後部座席に夏乃さんを運び、運転手に目的地の住所を伝える。

 勿論運転手に伝えた行き先はラブホテルなどではなく夏乃さんの自宅だ。それから家に到着した俺は精算を済ませて領収書を貰った後、夏乃さんを連れてタクシーから降りた。そして夏乃さんのカバンの中に入っている家の鍵を探し始める。


「あっ、これって夏乃さんが伏見稲荷で買ってたお守りじゃん」


 夏乃さんのカバンの中に入っていたお守りが目に飛び込んできたため思わずそうつぶやいた。確か命婦えんむすび守という名前だったはずだ。どうやら常日頃から持ち歩いているらしい。

 裏の名前を書く欄にはしっかりと結城夏乃と九条結人という名前が書かれていた。もしも誰かに見られてしまったら一体どう説明するつもりなんだろうかと思ったが、きっと夏乃さんの事だからとんでもない事をさらっと言うに違いない。


「俺のおじいちゃんとおばあちゃんに対して堂々と婚約者だって名乗ってたくらいだしな」


 そんな事を考えながら引き続き家の鍵を探し、ようやく見つけた。鍵を開けて家の中に入る俺だったが玄関に靴が無かったため今は誰もいないようだ。

 夏乃さんの両親は日中働いているため今の時間帯家にいない事は想定通りと言える。だが、凉乃に関してはもしかしたら家にいるかもしれないと思っていたためあてが外れた。


「凉乃はまた兄貴のところか……? いやっ、普通に友達と遊びに行ってるような気もする」


 凉乃と兄貴は最近ギスギスしているらしいし、多分後者の可能性が高い気がする。二人とも結構後に引きずるタイプなので解決まではまだ時間がかかりそうだ。

 ひとまず俺は夏乃さんを背中におんぶして部屋へと運び、そのままベッドへと寝かせる。この部屋には東京サマーヒルズのプールで遊んだ日に来ていたためそこまで久しぶりという感じはしなかった。


「……このまま夏乃さんを放置して帰るのもちょっと気が引けるし、起きるまで待ってるか」


 夏乃さんが酔って記憶を飛ばすタイプかどうかは分からない。だが、目が覚めて気付いたら家のベッドの上にいるという状況は普通に怖いと思うのでやはり説明が必要だろう。

 勿論置き手紙を残す事も考えたが、夏乃さんの部屋の中の物を勝手に触るのは気が引けたため辞めた。もし勝手に触った事がバレたらネタにされそうだし。あっ、でも家の鍵を探すためにカバンの中を勝手に物色した時点で今更か。

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