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第84話 流石に冗談じゃないと困りますって

 危うく特殊プレイに付き合わされかけるハプニングこそあったが、一応無事に食事を終えた俺達は再びプレゼント探しに戻った。現在はアクセサリーショップに来ているわけだが夏乃さんが手を伸ばしたものを見て俺は思わず声を上げる。


「……あの、まさかとは思いますけどそれが欲しいとか言いませんよね?」


「個人的にはありよりのありかな」


「誰がどう考えても無しでしょ」


 夏乃さんが興味を示したものはペアリングだった。他のアクセサリーならまだしも異性にペアリングをプレゼントで渡すというのはいくらなんでも問題があり過ぎる。


「えー、これをプレゼントで貰って結人とお揃いでつけたくなってきたんだけど」


「間違いなく周りから誤解されますよ、どう説明する気ですか?」


「うーん、私達結婚しましたとか?」


「火に油を注いでいくのはやめてください」


 それだと誤解を解くどころかますます勘違いを加速させてしまうだけだ。そんな事になったら間違いなく大騒ぎになるだろう。そして兄貴に何をされるか分からない。


「まあ、流石にそれは冗談だよ」


「流石に冗談じゃないと困りますって」


「だから私達付き合い始めましたくらいで許してあげる」


「いやいや、結局ペアリングはプレゼントとして貰う気満々じゃないですか」


 ペアリングのプレゼントではなく結婚しました発言の方が冗談だったのかよ。しばらくそんな感じで夏乃さんから盛大に揶揄われた後、再びショッピングモールの散策に戻る。ちなみに夏乃さん曰く、ペアリングも心は揺れ動いたがまだその時ではないとの事だ。


「あっ、あそこを見て。占いだって」


「結構人気みたいですね」


 ショッピングモール内の一角にあった占いブースには列が出来ていた。スマホで調べるとここの占いはよく当たると評判らしくわざわざ遠方から来る人もいるらしい。


「せっかくだから占いをやっていかない?」


「そうですね、時間は全然ありますし寄って行きましょうか」


「じゃあ早速列に並ぼうか」


 俺と夏乃さんはそのまま列の最後尾に並ぶ。ぶっちゃけ俺や兄貴は昔から神や占いのようなものは信じていないタイプだ。

 もし本当に存在しているなら二卵性とは言え一応双子なのに俺と兄貴にここまでスペックの差を付けた神様を助走をつけてぶん殴って文句を言ってやりたい。全部とは言わないが何で容姿とか身体能力、頭脳とか一つでも兄貴と一緒くらいにしてくれなかったんだよと。

 それに対して夏乃さんや凉乃はこういう占いには目がなかったりする。だから二人とも朝の星座占いの結果で朝のテンションが違ったりする事もよくあった。


「へー、ここってタロット占いなんだ。今まで何回か占いをして貰った事はあるけど実はタロット占いは初めてなんだよね」


「占いってそんなに種類があるもんなんですか?」


「うん、実は結構色々な種類あるから。結人が知ってそうな有名どころだと星占いとか手相占いとかかな」


「あっ、それなら聞いた事あります」


 テレビの番組コーナーなんかで手相占いをしているシーンなんかは何度か見た事がある。


「ちなみに種類によって占える内容も違うんだよね。タロット占いの場合は近い将来を占うのには向いてるけど、逆に遠い未来は占えないらしいよ」


「近い未来か……」


 夏乃さんの口から飛び出した言葉を聞いた俺は思わずそうつぶやいた。近い未来に俺は夏乃さんからの告白の返事をする必要がある。

 夏乃さんは待ってくれるとは言っていたがいつまでも保留にする事は出来ない。確かに今の関係のままでいれれば楽だが、それでは夏乃さんに対してあまりに不誠実だ。

 神や占いなんて信じていないためこの占いで何を言われたとしても関係ないと思ってはいるが、しっかりと自分の答えをはっきりさせなければならないだろう。

書籍化作品の原稿が落ち着いたので更新を再開します。

週に3回前後を目指して更新します!

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