この緊張した自己紹介に成功を!
お久しぶりです
大学受験が終わり、久しぶりの投稿です。
これからも不定期ですが投稿していくので見てくれると嬉しいです
この緊張した自己紹介に成功を!
悪魔の自己紹介が待ち構えた今日、僕はベットの上で目を覚ました。
天気は快晴。体調は万全。でもたった一つ、本当に一つだけ問題点がある。
アラームが鳴っていない。
いつも僕をその爆音で強制的に眠りを終わらせるあの忌々しいアラームがなっていないのだ。
これが表すことはただ1つ…
「また寝坊した…のか……?」
まずい。本格的にまずい。
目立つことなく平穏に学生生活を送ることを目標としている僕にとって遅刻して教室に入るなんて事態は決してあってはならないことだ。
他力本願すぎて自分でも嫌になるが、なんで彩乃は起こしてくれなかったんだ。いや、彩乃も寝坊したのか……!?
そんな思考を巡らせている時間も惜しく、僕は緊張と共にスマートフォンの電源をつけ、時間を確認した。
「5時半……?」
遠足を楽しみにしすぎて早起きしすぎる小学生のように早く起きてしまっただけだった……いや、断じて自己紹介を楽しみにしてはいないのだが。
来るべき、自己紹介に向けて、朝食や身だしなみを万全にして、僕は学校へ向かおうと、玄関に向かおうとしたとき、呼び鈴がインターホンが鳴った。
宅配物をたのんだ覚えもないので、念のため、カメラをのぞいてみると、カメラにはまなみが写っていた。
昨日、学校で別れた時に、特に約束もしていなかったので、不思議に思って玄関のドアを開けると、
「おはよー。やっぱりまだ家に居たんだ。」
まなみが少し安心したようなトーンでそう言った。
「あ、うん。それよりこんな朝早くにどうしたんだ」
と、とりあえず要件を聞いてみると、
「いやさ、竜介って中学の頃は彩乃ちゃんと毎日学校行ってたじゃん?高校に入って登校時間も方向も変わったし、かわいそうな竜介のために私が一緒に行ってあげようかなー、っておもってさ。」
いつもより少しトーンが上がったような声でまなみがそう言った。
言われて思い出したが、そういえば、綾乃とは道も時間も変わるんだった。
毎日一人で行くのも寂しいし、魅力的な提案かもしれない。
だけど、勇人が一緒に行きたがるかもしれないし、ここで軽率に返事をすることはできない気がした。
「僕もできることならまなみと一緒に行きたいけど、昨日、勇人と一緒に行くかどうか話し合ってないから、まだわかんないかな。今日聞いてみるから勇人も行けるなら次から3人で行こうよ。」
「三人で?!ま、まぁ、一緒に行けるならそれでもいいけど…」
ん?いま一緒に行けるならっていってた?もしかしてまなみ僕と一緒に生きたいだけなんじゃ…いや、思い上がるのはやめておこう。前みたいになりたくないだろ…。
「うん。だから、とりあえず今日は二人で行こうか。勇人とは昨日一緒に行く約束してないし。」
「お兄ちゃん?ずっと外にいるけどそろそろいかなくっていいの?」
少し長く話していたからか、わざわざ声をかけに来てくれたみたいだ。うん。いい子過ぎる。
「って、まなみちゃんもいるじゃん。どうかしたの?」
「あぁ、ほら綾乃と学校も変わったし、一緒に行ってくれる人もいないだろうからってわざわざ一緒に行かないかって誘いに来てくれたんだ。」
「ふ~ん。そう。」
少し考えてから、何か察したかのような言い方で綾乃はそういった。どうしたんだろう。
「ほ、ほら、綾乃ちゃんもこう言ってることだし、竜介、そろそろ行こ?」
少し逃げうような言い方をして、まなみは僕の手を握って僕の腕を引っ張った。
「そ、そうだね。じゃ、綾乃行ってくるよ。」
「うん。行ってらっしゃい。お兄ちゃん、あと…まなみちゃん。」
まなみことを呼ぶときだけ少し、綾乃の声のトーンが下がった気がしたがおそらく気のせいだろう。
そんなやり取りをして僕は家を出て学校に向かった。
少し胸の鼓動が早いのはきっと自己紹介に向けて緊張しているからだろう。
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