島崎くんの学園生活物語 第1話 入学式に出会いを求めるのは間違っているだろうか その2
はじめまして。東津と申します。
今回は初めて執筆した作品であるため拙い部分はあると思いますが、温かい目で読んで頂けるとありがたいです。
私情を挟んだ話になってしまいますが、私は今年受験を控えた身で、一般受験をして大学に進学するか、小説家を目指して専門学校を目指すか。この二択が迫られています。
私個人の意見としては専門学校に進みたいのですが、親が大学に行くことを望んでおり、自分でもどちらに進むか決めかねています。
なので以前から少しずつ書いていたこの作品をアップロードして、皆さんの評判次第で大学進学を目指すか専門学校に進学を目指すか決めたいと思っています。
もし気に入って頂けたらブックマークなどして頂けると嬉しいです。
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終礼が終わり、特に残る理由もないので帰ろうとすると
「竜介って帰りはどっち方面なんだ?もし同じ方向なら一緒に帰ろーぜ」
と勇人が声をかけてきた。
断る理由もないしもっと仲良くなりたいし、勇人についてももっと知っておきたい。
「おーそれいいね僕は校門からそのまままっすぐ帰る感じだけど勇人は?」
せっかくの機会だしどうか同じ方向であってほしい。なんかドキドキしてきた。
「お!俺もそっち方面だよなら帰れそうだな」
待てよ……あれ!これめっちゃ高校生っぽくね!こういうの憧れてたんだよな。テンション上がってきた。
そうして僕らは昇降口へと向かった。
昇降口へ着くとまなみが靴箱あたりで誰かを探すかのように周りを見渡していた。中学時代の友達でも探しているのだろうか。
「あ!いたいたおーい!」
と手を振っている。どうやら無事探し人が見つかったようだ。こちらを見ている気がするが僕の近くに探し人がいるのだろうか。
「島崎くんったらすぐ教室から居なくなるんだからーほら?一緒帰ってあげるから帰りになにか奢ってよ」
「いや、僕は友達ができたからそいつと帰るよ。まなみも他のやつと帰ったらどうだ?あと人にむやみに奢らせようとするな」
「まぁまぁ私みたいな美少女と帰れるんだから奢るくらいありま……ってええええええ!友達できたの!?島崎くんに!?」
まなみは僕のことをなんだと思ってるんだ。さすがに評価低すぎないか?
「そういうことだから他の人と帰ってくれないか?勇人とまなみと僕の3人で帰っても気まずいだろ」
「確かにそうだけどさー」
まなみはそういいながら口を尖らせた。
「あれ?2人とも付き合ってる的なやつ?ごめん俺先に帰るよ」
は?勇人は何を言ってるんだ?付き合ってる?僕とまなみが?ありえないだろ。
「そんなわけないだろ。ただの中学の同級生だよ」
「そういうことにしといてやるよ」
なんで急に上から目線なんだよ。
「だから本当に違うってやめてくれ」
ここまで言うということはそう見えるものなのだろうか。少し気をつけないとな。
「私も他の人と帰るから気にしないでよ。えーっと高山くんだっけ?島崎くんと仲良くしてあげてね!」
「何お母さんみたいなこと言ってるんだ」
「島崎くん私に母性感じちゃったの?」
こいつほんとに何言ってるんだ?寝坊でまだ寝ぼけているのだろうか。
「まーここにいるのもなんだし竜介、そろそろ帰ろうぜ」
確かにそろそろお腹も減ってきたし帰り時かもしれない。彩乃もご飯を作って待っておくと言っていたし早めに帰ろう。
「そうだな。お腹も減ってきたし帰るか。じゃあなまなみまた明日」
「うん!またあしたね」
まなみはそう言って僕たちを送ってくれた。少し残念そうにしていた気がするがおそらく気のせいだろう。
勇人との下校はなかなか新鮮だった。帰り道にあるおすすめの食品店とか買い食いができる店とか近くにある商店街に今度寄ってみようとか色々教えて貰ったり約束したりした。リア充してる感があってめちゃくちゃ楽しかった。
だが明日の自己紹介の課題は解決していない。ここは勇人に何かコツと言うか話題的なやつを聞いておきたい。
「そういえば明日自己紹介だよな?竜介はどんなこと言うんだ?」
勇人は僕の心配や緊張を汲み取ったように聞いてきた。なんだこいつ僕の心が読めるのか。
「そうなんだよな…僕自己紹介所か人の前に立つのがとにかく苦手でどうしようか迷ってるんだ。」
「だよな。竜介そういうの苦手そうな顔してるもんな」
笑い交じりに言ってるけどどんな顔だよそれ。否定できないのが辛い。
「ああいうのは適当に趣味とか中学の頃の部活とか得意なこと言っときゃいいんだよ竜介にもなんかあるだろ?」
なるほど。確かに当たり障りないしいいかもな。
「趣味は読者で中学の頃は帰宅部だったよ得意なことは……強いて言うなら料理かな?」
「帰宅部はともかく読者と料理はいいかもな読者は分かるけど料理か。どうして得意になったんだ?」
「両親が料理でね。東京で店開いたりしてるんだ。たまに料理のレシピとかコツとか教えて貰っててさ。店の関係で2人ともなかなか帰ってこないし妹の彩乃のために練習してたら必然とね」
彩乃の笑顔が可愛くてそのためにも上手くなったといういかにもシスコンっぽい理由は一応伏せておこう。
「あーなるほどな。ってことは今彩乃ちゃんと2人暮らしなのか。若いのに大変だな」
少し気を使ったように勇人が言ってくる。心配してくれているのだろうか?
「若いって勇人と僕は同い年だろ?」
「あ、確かに」
確かにって気付いてなかったのかよ。
「あのさ、無理にとは言わないんだけどいいか?」
勇人が僕の様子を伺うように質問してきた。
「ん?どうしたんだ?」
「いやまぁ俺と竜介はあって初日だししょうがないと思うんだけどまなみちゃんと俺とで話す時に壁?っていうか話し方が違ってるのが少し気になってさ」
バレていた。僕は人と話す時によく壁を作りがちだ。勇人からすればそれが不満なのかもしれない。
「いや無理にとは言わないぜ?俺は竜介と早く仲良くなりたいっていうか……」
「あぁ、なるほど。いや言ってくれて助かるよ僕も自分で壁作りすぎるのやめたいって思ってたし勇人で練習してもいいか?」
僕も実際気にしていたところだしむしろ助かる。
「よっかったぁ……」
勇人がらしくもなく安堵の息を漏らす。
「そんなにかよ」
急に雰囲気が変わるのでおかしくなって笑い交じりに返す。
「実際これ聞くのも緊張したんだぜ?俺こういうの断られるとわりと気にしちゃってさ」
いかにも陽キャの彼も人の関係で気にすることもあるのか。僕の中の陽キャのイメージを直さなくては。
「あ、竜介俺ここで曲がるんだど竜介は?」
道を見ると交差点に差し掛かっていた。
「あー僕まっすぐなんだよな……じゃあここでお別れかな?」
「おう、じゃあまた明日な」
なんか少し悲しいな。一日でこう思えるほど仲良くなるなんて勇人のコミュ力には頭が上がらない。
「うん。また明日学校で」
僕はそう言って手を振って勇人と別れた。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
これからは自分が受験期であることもあり、1〜2週間に1つが限界になると思います。書き溜めているものもあるので当分は続けることができると思いますが、投稿が途切れる時も受験が近づくにつれ多くなると思います。気長に待っていただけると嬉しいで