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クリスチャンになってみた  作者: 甘粕 真古都
2/10

初めてのレッスン

 いよいよ教会に行く日。

 家から近かったし、車もなかったので歩いていった。

 教会に着くと、外で宣教師が待っていた。


「こんにちは」

 差し出される手。

 若干躊躇しながらも、私は手を握って握手をした。

 後でわかることだが、この教会はアメリカが本部ということもあってかやたらと握手をしてくる人が多い。コロナ禍ではさすがに握手する人はいなかったが。


 中に入り、礼拝堂と呼ばれる礼拝行事をする部屋に入る。

 小さな体育館くらいの広さで、床は絨毯だった。しかし、土足でも大丈夫だった。

 壁の色は白で、カトリックの教会にあるような祭壇もなかった。十字架もない。

 家具と言えるものも何もなく、前の方に椅子が横一列に並べられており、その前に背の高い机があった。

 そして礼拝堂の中央付近に円形に、パイプ椅子が5脚並べられており、そのうちの2脚に年配の女性が座っていた。

 てっきり宣教師しか来ないものだと思っていた私は戸惑った。女性もおそらく教会員だろうから、4対1ということになる。無理な勧誘をされたらどうしよう、と不安になった。


「どうぞ、座ってください」


 F長老が先に座ったので、私は隣りに座った。

 そして挨拶と、自己紹介をした。女性は宣教師から「S姉妹」「A姉妹」と呼ばれていた。(この教会ではみんな神様の子どもなので人類みな兄弟ということで、男性を名字のあとに兄弟とつけて○○兄弟、女性を同じように○○姉妹と呼ぶ)


「まず最初にお祈りをしてもいいですか?」


 F長老が言い、私は頷いた。

 お祈りの体勢なのか、F長老は手を組み頭を下げた。他の人も同じようにしたが、中には腕を組む人もいた。私も真似する。

 F長老が祈りの言葉を言う。決まった言葉ではないようだ。「まことさんに感謝します」と私の名前も出てきたし。

 そして最後にF長老が「アーメン」というとみなさんも続いて「アーメン」と言った。


 そして教会の(レッスン)に入った。

 最初に金髪の長老(w長老)が話した。カタコトの日本語だったけれど、一生懸命練習したんだろうな、ということが伝わってきてこちらも真剣に聴いた。

 内容としては「救いの計画」というもの。前世と現世と来世があって、前世で私たちは神様と暮らしていて、いろいろな経験をするために現世に来て、現世の行いによって裁かれて来世に行くという。

 頷いて聞いてはいるものの、半信半疑である。

 途中で話はF長老に代わる。そしてレッスンが終わった。終わってから、F長老が言った。


「実は、バプテスマと呼ばれる儀式があるんですけど、まことさんのバプテスマが一ヶ月後の12月11日に予定されています。そこを目標にして頑張ってみませんか?」


 ……え⁉︎何?なんで勝手に予定決めてるの?

 私は混乱したが、頷いてしまった。

 私は流されやすい人間である。

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