扶助協会
私が通っている教会に「扶助協会」と呼ばれる組織がある。これは教会の女性のみが所属する組織で、理念としては女性たちが団結して困っている人を見つけ出し助ける組織となっているが、実態はこうはいかない。
先に断っておくが、教会は全世界に展開されており、世界や日本の別のユニットでは本当に困っている人のために働いている女性たちが大勢いる。私が記すのは、人数も少ないある地方のユニットの話である。
扶助協会に限らず教会では活動が企画され、行われる。頻度はユニットや会長会と呼ばれる、教会員の上に立って指導する人たちによって異なる。大きな活動でいえば、クリスマス会などである。
私が通っているユニットも四半期に一度くらいは扶助協会の活動が行われているが、困っている人のため、とか奉仕の活動が本当に少なかった。
では、どんな活動が行われているかというと、みんなで一緒にお茶を飲み、お菓子や食事をする、とか小物や手芸を楽しむ、という活動が多かった。
悪くはないのだが、教会に入ったばかりの私は「これが教会なのだろうか?サークルじゃないのか?」と疑問に思った。
それに、みんなで楽しむ活動は姉妹と呼ばれる女性たちの一致をはぐくむ、などと調子のよいことを言うが、それほど一致ははぐくめていないような気がする。
私は現時点で教会に入ってから約15年経つのだが、教会内で仲の良い女性などひとりもいない。
みんな30年、40年と教会に通っている女性たちでグループが出来ていて、新規に入ってくる会員はその輪に加わることが難しい。
私だけならコミュ障だから、という理由が成り立ちそうだが、私の後に入った方たちのほとんどが現在教会に来ていないことを考えると、教会の方に問題がありそうである。
たまに気を使って話しかけてくれる方もいるのだが、その方は会長会ではない。
本当であれば会長会(指導者)は、信者の模範になるように聖書にも書いてあるのだが、会長会から親身になって接してもらったことが一度もない。
教会の召しは大変で、なかなかやると言う人がいないため、私が教会に入って15年間ほぼ顔ぶれは変わらないのだが、その教会を運営していく中心人物同士が結束しており、その仲の良い者同士は交流があるのだが、私はほぼ交流がない状態である。
それなのに会長会から「愛を示しましょう」とか「ミニスタリングをしましょう」と言われるのが腹が立つし、ストレスとなる。
また、会長会の中には何を根拠にかわからないが、一般の会員は奉仕や愛を示す、などの教会の教えに関わることをしていない、と思い込んでいる方がいる。私は会長会の方がそのようなお話しをしているのを聞く度に「あなたよりはしているんじゃないか?」と思ってしまうのである。
そんな会長会であるが、月に一回くらい会長会の3~4人で集まって話し合いをする。これがまあ酷いものである。
たまたま隣の部屋で話し合いが行われていたため聞こえてしまったのだが、ほぼ愚痴である。
ある人は結婚間近な若い女性に対して(その若い女性は教会に熱心ではないように見えるため)今のままじゃ結婚させられない!と息巻いていた。
私はそれを聞いて「いや、親でもない奴が何を言ってんだ」と思った。(若い女性が生まれる前から教会にいて、親のような気持ちだったかもしれない、だがそれにしても、あなたが言うべきではない。)
実は、私もこの会長会だったことがあるのだが、子育て中ということもあり、なかなか責任を果たすことが難しかった。その時である。S姉妹という、私より以前に会長会に属していた女性がわざわざ私の元に来て言った。
「まことさんが召しを充分に果たしていないってみんな言ってるよ」
みんなとは誰のことであろうか。具体的に言ってくださいと私は返事したのだが、S姉妹はそそくさと逃げていった。
こっちは子育ての時間がない時に、精一杯やってんだよ。
みんなって誰だよ。あんたが一番言いたいんだろうが。人のせいにしてんじゃねえよ。
本当に腹立たしい出来事であった。
その後S姉妹はまた会長会になるのである。
私はもう二度と会長会なんてやるものかと思っている。
そして、私は思った。
文句をつける奴が召しをするのが、一番平和だと。