後悔と猫
「それで、僕を待ってた・・・? これ、
どういう意味ですか? 今の僕を待つ理由は?」
「君に謝りたかった。だから、もしも
君がここに来てしまったら。ただ謝ろうとした」
「別の未來があったと。そんな話し方ですね」
「ああ、鴨勝 時空警察特務部隊のエリート
部隊員だね。彼に会わない未來はあった 」
「未來でなにがあったんですか?」
「タイムマシン自体は悪くなかった
問題は使う人間だ。使い過ぎたんだよ」
「使い過ぎた.. タイムマシンをですか?」
「ああ、時空の歪みが発生し
ブラックホールが現れた。あれは生き地獄だよ」
「だけど。どうして使い過ぎで?
未來から過去へ行くだけでは干渉にはならないのでは? 違いますか? 未來の僕かな?」
「どちらも正解だ。未來の君というのも
干渉はされないというのも なら、なぜ?
だろう? 知っているかな? 運命を・・」
「定まった。運命には抗えず・・
神の運命に従うかない、もしくは・・・
「それが運命だと。気付かないですかね」
「100点をあげるよ。そう、運命には抗えない
ここが問題だった。例えば、明日死ぬ猫を
なんらかの方法で生き返せば。運命は?」
「恐らくは音を出して崩れ始める
猫は今日を生きる事になる。つまり、
運命に抗ったのだ。これは運命の海という」
「要は。溺れずに生き返った・・
こういう事だ。分かるかい? 危険な事だと」
「猫が気付いてませんね」
「そこ、だよ・・・ 死を分からない猫は
また。生きようとしてましまう・・・・ 」
「殺せないんだよ。厄介だろう
これが何度も起こってしまったという訳だ」
「この世界と死の世界の天秤が傾いてしまう
そういう訳ですね? そうなれば。もし
なにか起こった時、止まらなくなる。」
「崩壊が・・・ ね、」
「君が止めるんだよ。私を殺してでも」
「ちょっと無責任じゃないですか?
僕は貴方を殺しませんよ。絶対に」
「君らしい言葉で。私は嬉しいよ
私は、私を失ってしまった。君が羨ましい」
「僕は貴方に会えて良かったですよ。
心から・・ そう思ってます。」
「あ。そうだ..」
「なんですか?」
「もし、君が目的を失ってしまったら
匣を探すといい。君に目的を与えてくれる」
「暇な時にやってみます」
「そうしてくれ。いつか・・ また。」
「ええ、未來のあなたに・・」
「会いたいよ」
「会いたいですね」
人は
過去になにか後悔がある
それを治そうと必死にもなれば
それを乗り越え、力ともする
あなたには後悔がありますか?