花火の夜
「私、今日死ぬんですよね?」
1時間程前
「また、招待状です」
「アラン君。開けてみてくれ」
ボクからの招待状
アランくん? 読んでくれてるかな?
また ボクの招待状だよ
これからはルールを設けるよ
・ ルール1
これからはアラン君と誰かでタッグを
組んでもらうよ
・ ルール2
これはみんなへの罰だよ
君たちを一人一人殺していくことになったんだ
「・・それで、終わりかい?」
「続きは書いてません」
一瞬にして場がざわめきに包まれる
当たり前だ、安易にいつか死ぬと言ってる
死は予感できないからこそ──
ラビィーという男はそれを知ってる
ただ。今、たったいま
考えなければならないのは
その時に誰を殺すか、
今、我々には決断が迫られていた
「皆、取り敢えず落ち着こう
焦っても。考えてみろ? 何も変わらない」
「鴨さん、考えてます?」
「何を・・・」
「・・誰を殺すか」
「・・・・・・・ 君には決めさせないよ」
「その・・ ん、・・ごめんなさい
鴨さんにこんな役目を背負わせて」
「んっ・・ いいんだ。君も君で
戦ってる。私は君のサポート位しないとな」
決断というものは
時として過ちとして反ってくる
「いえ、死なせませんよ」
「分かってるんです。死んでしまうこと
だから、せめていい日にしたいです」
「なら・・ 手伝ってくれませんか?
僕、造っている物があって。それを」
「じゃ、じゃあ・・・ 」
「手伝ってくれますか?」
「はい」
時刻、9時17分
「そう、ここにはめ込んででください
あってますよ。そうです、合ってますよ」
「楽しいですね! 本当に面白いですよ
はい。でも、これはなにを造って? 」
「僕が必要な物です。絶対にないとダメ
そんな物です。これだけは完成させないと」
「何のためにこれを?」
「会いたい人が居て。その人に
会わせてくれる機械です。」
「そうですか・・・ ごめんなさい
私、失礼でしたよね? 本当に・・ 」
「いや、いいんですよ
貴女に話せてスッキリしましたよ」
「あ、結構いい時間ですよ
お昼食べに行きませんか? 美味しいとこ」
「そう・・ ですね。 行きましょう」
「結構混んでますね、いい店ですよ」
「中華料理・・・・・」
「ダメでしたか。結構、女の人でも
好きな人が居ると聞いてたから・・ 」
「違いますよ。私、食べたことないです」
「中華料理を? なら食べたほうが
いいですよ。入りましょう・・ ほら?」
「・・・・・・・・」
「うわぁ~ これは? こっちは!!
なにを食べようかな。どれがいいかな?」
「え、ああ・・ すいません!!」
「はい。どうしましたか?」
「彼女が何を食べるか困ってて
何が良いですかね。僕も好みを知らなくて」
「当店のオススメでは・・・ 」
「それで・・・ 絢佳さんでしたよね」
「はい。 麻鈴絢佳です」
「なにを頼んだんですか?」
「・・・・色々です!!」
「お待たせしました。」
ほ、本当に・・・
餃子に炒飯、ラーメンに天津飯
更にデザートをゴマ団子に杏仁豆腐
「・・こんなに食べれますか?」
「大丈夫だと思います・・」
「お会計ですね、5736円になります」
「これでいいですか?」
「はい。丁度頂きました
また、来てくださいね。彼女さんと」
「え? ああ・・ はい。」
「もう・・・ お別れですかね?」
「忘れてませんか?」
「な、なにを・・・・」
「絢佳さん似合うと思って・・・
買ってたんです。どうですか?」
「浴衣?」
「安物ですけど、柄が良かったから」
「・・・うっ・・・・っ・・・」
「絢佳さん、どうしました?」
「私、う・・嬉しいです・・・・」
「良かった。でも まだです」
「ま、まだ・・・? 」
「花火を見に行きませんか・・」
「はい・・・・」
「綺麗ですよね。心が洗われる」
「わ、わ、わたしは?」
「大丈夫、とても綺麗ですよ」
「あれが、最後の花火です」
「あ、あの・・・・」
「なんですか?」
「今日はありがとうっ・・・」
「絢佳さん。また会いましょうね」
「・・っ・・・・ うん! 」
その日、最後の花火が上がった
彼女の笑顔と供に夢は覚めた
覚えているのは──
ただ、彼女が笑っていたこと・・
悩める天才たち
──残り 30人




