強制的
俺は、部屋の扉を開けたまま固まった。
なぜ、俺の部屋にケモミミの女の子が居るのか。
なぜ、怒鳴られたのか。いや、その前に、怒るのは、俺の方だろう、不法侵入じゃないか!
声を挙げようとした時、ケモミミが手を前に翳した。すると、声が出ない、正確に言えば、小さなかすれ声しか出ない。
「お……ま……えは……」
『黙って!今から説明するから、そこに座って、』ケモミミの、指さす所に座らされた。
『今日は、あんた、いえ、渡に頼み事があって来たの。私は、神様の眷族、狐のヨーコ。』
ケモミミは、話しながら、俺に翳していた手を降ろした。何か、拘束が解けた気がした。
「なぜ、俺なんだ?」
『渡は欲深く怠惰、けど、毎日神社をお参りしてるわ。だから、神様から、渡に手伝ってもらえって言われたの。言って置くけど、断れないわよ、
渡は既に、私の神気を浴びたから。』
さっきから、反抗する力強いが、失せてるのも、
神気の影響なのか…抵抗しても無駄だ、俺は、
力なく承諾した。
『それじゃ、渡、今日からよろしく。あと、私もここに住むから。』
「えっ!ここに住むの?」
『あたり前でしょ、神様の言葉を、渡に伝えるには、私が側にいた方が、都合良いでしょ。』
「でも、一部屋しかないんだよ?良いの?」
『何考えてるか、創造つくけど、渡が考えてるような事は、絶対起きないから、安心して良いわ。』本当に大丈夫かな、一つ屋根の下で、
男と女が暮らすのに、絶対などあるか?
『渡、心の声が漏れてるわよ、私の神気に触れた渡は、私をどうこう出来ないから、安心して。』
なんか少しがっかり。
『実体化すると、お腹が空くわね、渡、おいなりさん買ってきて、急いでね。』
神気には逆らえないのか、俺は、コンビニに走った。