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12月24日 クリスマスイブ その2

【ローズマリーファンクラブ活動日誌】


12月24日 執筆者:会員ナンバー32


僕の名前はマイケル。普段は街の八百屋で働いている。


これでも買い物にこられるご婦人からは中々評判がいいと思っている。

しかしこんな僕にはある秘密がある。それはあるお菓子屋のファンクラブに入っていること。


あの日、最近評判と言われていたお菓子屋へと出かけた。

そこで僕は衝撃を受けることとなる。

店頭で配られていたケーキと言うお菓子は美味しい。だが、それ以上に店員の可愛さにハートを打ち抜かれたのだ。


整った顔立ちに流れるロングの髪の毛、白を基調にしたエプロンドレスのスカートは膝上までのデザイン。

忙しなく動くその姿に、チラチラと見え隠れする太ももとストッキングを止めるベルトがなんとも男心を揺さぶる。

この制服をデザインした人は男の心情を分かって作っているのかと問いただしたい。いや是非語り合いたいさえ思った。




そんなある日、会員メンバー全員に衝撃が走った。

なんと一日限定で制服が変わっている言うのだ。


見たい、絶対見たい。僕は欲求に打ち勝てずこっそり店を抜け出しローズマリーへと向かった。


たどり着いた僕は思わず神様にお礼を言った程だ。

エレンちゃん17歳(ファンクラブ情報より)が着ていたのは白いファーで縁取りされた赤いワンピース。スカートはやはり膝上10cm。

肩からボレロを羽織っているが下はおそらくノースリブだろう、チラチラ見える胸元がなんとも言い難い。

(ファンクラブの規定でヤラシイ発言は規制されているため、その辺りは想像してほしい。)


「いらっしゃいませ。本日限定のブッシュドノエルはいかがでしょうか?」

「えっ、あ、じゃ。それを。」

見とれていたら自分の順番になっていたらしい。

思わず答えたが、誰が勧められた品を断り別の品を頼めると言うのだ。


箱ずめしてくれている間僕の目はエレンちゃんに釘ずけだったが、すぐさま後ろの男性に押し出されてしまった。

それでも僕の目はエレンちゃんから離すことが出来ずにいると、数人の男に無理やり店の外へと連れ出されてしまった。


「気持ちは分かるが規則は規則だ、諦めてくれ同士よ。」

ファンクラブの規則は厳しい、彼らとて血を吐く思いでこの場にいるのだろう。


お互い血の涙を流しながら僕は自分の店へと戻っていくのだった。


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